マーガレットとローマカミツレの交配による世界初の雑種などマーガレット類6品種を育成
PR TIMES / 2023年11月22日 20時40分
静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センターは、マーガレット3品種、マーガレットとローダンセマムの雑種2品種、マーガレットとローマカミツレの雑種1品種を育成し、令和5年5月26日に農林水産省に品種登録を出願、令和5年9月25日及び令和5年10月5日に品種登録出願公表*1されました。
出願公表*1:農林水産省が品種登録出願を受理した後、その内容を公表すること。品種登録されるまで育成者権が仮保護される。
静岡県は、温暖な気候から、施設園芸が盛んな地域です。花き類は、新しい特徴を持った新品種の需要が多く、また近年は、高騰する暖房費用の低減が可能な耐寒性が強い品種や、これまでの品種と異なり、初夏から秋に栽培可能な品種の育成が産地から求められています。
伊豆農業研究センターでは、産地の主力品目であるマーガレットの新品種を育成するとともに、マーガレットとは異なる植物との交配を行い、胚珠培養*2の手法によって雑種品種を育成しました。これらの新品種によって、産地のブランド力強化や、安定生産、出荷期間の拡大が期待され、消費者は1年を通じてマーガレット類の開花を楽しむことが可能になります。
胚珠培養*2 :通常では種子が得られないような異種間の交配組合せでも、発達が停止する前の胚珠(種子になる部分)を摘出し、人工的に培養することで、健全な雑種の作出を可能にする技術。
マーガレット3品種
静岡県東部地域は、他産地よりも早期に出荷が始まる早生のマーガレット産地として知られていますが、近年の夏季高温により、秋に出荷するマーガレットを安定して栽培することが難しくなっています。伊豆農業研究センターは、耐暑性があり、花色や花型に特徴のある極早生の鉢物用マーガレットを3品種育成しました。
※他産地より早く出荷可能な極早生品種(開花期:10~6月)
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ビジューマム(マーガレット×ローダンセマム)2品種
伊豆農業研究センターは、マーガレットと耐寒性の強いローダンセマムの交配から、静岡県にしかない新しい鉢花「ビジューマム」を令和4年に育成しています。「ビジューマム」は、マーガレットよりも低温で栽培でき、高騰が続く燃油の使用量を削減できることから産地への普及が進んでいます。今回、すでに育成された2品種とセットで販売できる新たな花色の「ビジューマム」2品種を育成しました。
※ローダンセマムとの交配で育成された「ビジューマム」シリーズに新花色が追加(開花期:2~6月)
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マーガレット×ローマカミツレ1品種
マーガレットはもともと3月~5月頃開花する植物で、上で紹介したピーチフレア等、10月~6月まで長期間開花する品種も育成されてきましたが、これまでに夏季に連続して開花する品種はありませんでした。
伊豆農業研究センターは、マーガレットと夏季に開花するローマカミツレ(別名:ローマンカモミール)との交配に世界で初めて成功し、4月~10月まで長期間開花する雑種品種「ニューサマーステラ」を育成しました。
※ローマカミツレとの交配で育成された世界初の品種でマーガレットが咲かない夏季に開花(開花期:4~10月)
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これらの6品種は、静岡県と契約する県内の産地へ順次導入され、令和5年度中に出荷が開始される予定です。また、令和6年に静岡県浜松市で開催予定の「浜名湖花博2024」での展示も予定しています。
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