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出生登録:法的に存在しない子ども、1億6,600万人【プレスリリース】

PR TIMES / 2019年12月11日 11時45分

5歳未満の4人に1人に相当



[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1422/resize/d5176-1422-110636-1.jpg ]

【2019年12月11日 ニューヨーク発】
12月11日の73回目の創設記念日にあたり、ユニセフ(国連児童基金)は、世界の出生登録に関する新たな報告書を発表しました。その中で、出生登録されている子どもの数は世界で大幅に増えているものの、1億6,600万人の5歳未満の子ども(4人に1人に相当)がいまだ未登録であることを明らかにしています。

174カ国のデータを分析した報告書『2030年までにすべての子どもに出生登録を:その進捗は?』(原題:Birth Registration for Every Child by 2030:Are we on track?)は、世界で出生登録されている5歳未満児の割合が10年前に比べ約20%増加(63%から75%)したことを示しています。

「長い道のりを歩んできましたが、数えきれないほど多くの子どもたちがいまだ隙間をすり抜けて、数えられることなく、行方も分からないのです」とユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「出生登録されていない子どもは見えない存在です。政府の政策や法律においては存在しないことになるのです。身元の証明ができないと、その子どもは教育、保健、その他の不可欠なサービスから除外されることが多く、搾取や虐待を受けやすくなります」

[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1422/resize/d5176-1422-526299-0.jpg ]

世界では、主に南アジア、特にバングラデシュ、インド、ネパールで大きく改善がみられます。例えばインドでは、出生登録されている子どもの割合は2005-2006年の41%から2015-2016年には80%に上昇しました。近年、ユニセフは国全体の出生登録に優先して取り組めるよう、インド政府と協力し、出生登録所を増やしアクセスを改善し、職員やコミュニティワーカーを訓練し、最も弱い立場に置かれたコミュニティで啓発プログラムを実施しています。

一方、サハラ以南のアフリカの国々の大部分は世界の他国に遅れをとっており、なかでもエチオピア(3%)、ザンビア(11% 注)、チャド(12%)は世界で最低水準の出生登録率となっています。

報告書では、持続可能な開発目標(SDGs)にある「2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する」(目標16.9)を達成するためには、3カ国に1カ国(世界の5歳未満児人口の約3分の1を占める)が早急に状況を改善する必要があると指摘しています。

出生登録がされない理由としては、子どもの出生登録方法に関する知識の不足、出生登録または出生証明書の申請料金の高さ、登録が遅れた場合の追加料金、最寄りの登録施設までの遠さなどが挙げられます。加えて、子どもを産んだばかりの母親は屋内にいるべきなど、一部のコミュニティでの伝統的な慣習も、時間内に出生登録を行うことを妨げる原因になりえます。

なお、子どもが登録されている場合でも、出生証明書を所持することはあまり一般的ではなく、世界で2億3,700万人の5歳未満児、つまり約3人に1人が登録を証明する公式書類を持っていません。

本報告書において、ユニセフはすべての子どもを守るために以下の5つの行動を求めています。

すべての子どもに、出生の証明書を提供する。
すべての親に対し、出生時、性別を問わず子どもを登録するよう後押しする。
出生登録を他のシステムと連動させ、保健、社会保障、教育などのサービスに対する子どもの権利を促進する。
安全で革新的な技術に投資し、出生登録を促進する。
すべての子どもの出生登録を実施できるようコミュニティに働きかける。


「すべての子どもには名前、国籍、法的身分に対する権利があり、出生登録数が増えたことは歓迎すべきことです」とフォアは述べました。「しかし、今年30周年を迎えた子どもの権利条約で定められているように、すべての子どもが登録されるまで行動を止めてはなりません」

* * *

注:最新の利用可能なデータ2013-2014(DHS)によるもの。更新データは2020年初頭に発表される予定です。

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )

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