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進行型多発性硬化症に対する「イブジラスト+インターフェロン-β併用療法」が欧州で特許取得

QLife / 2023年12月15日 18時15分

患者は全世界に約230万人、再発寛解型でも多くは二次進行型多発性硬化症に

 メディシノバ(MediciNova,Inc.)は、進行型多発性硬化症(進行型MS)の治療を目的としたMN-166(イブジラスト)とインターフェロン-βの併用療法に関する特許出願について、欧州特許庁から承認を取得したことを発表しました。

 米国多発性硬化症協会の統計によると、多発性硬化症患者さんは全世界に約230万人とされています。そのうち約85%の患者さんは最初の診断で「再発寛解型」と診断されます。しかし、そのうちのほとんどは時間の経過とともに、寛解期が無く(または非常にまれ)、健康状態が徐々に悪化する「二次進行型多発性硬化症」へ進行します。さらに、約15%の患者さんは発病時に「一次進行型」と診断され、再発や寛解を経ることなく、歩行・視覚・知力など身体機能の障害症状が進行し続けます。これらの障害の進行については、二次進行型も同様です。多発性硬化症の現行の治療法は炎症反応に対処するものですが、神経変性または脳組織の修復に対する効果は限られていることから、神経保護作用を持つ薬剤に切実なニーズが存在すると考えられます。

イブジラストとインターフェロン-βの併用療法で、身体障害進行リスク低下の可能性

 イブジラストは、ファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物で、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻害剤、ホスホジエステラーゼ4および10の阻害剤で、炎症促進作用のあるサイトカイン、IL-1β、TNF-a、IL-6などを阻害する働きを有しており、また、反炎症性のサイトカインIL-10、神経栄養因子及びグリア細胞株由来神経栄養因子を活性化する働きも認められています。グリア細胞の活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症/神経保護作用を有することが確認されており、これらがMN-166の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALSなど)、各種依存症、慢性神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠と考えられています。一方、インターフェロン-βは、リンパ球などから分泌されるインターフェロンベータという物質を製剤化したもので、多発性硬化症の再発予防・進行抑制を適応とした薬剤です。

 今回承認決定された特許は、進行型多発性硬化症の治療法としてのイブジラストとインターフェロン-βの併用療法で、少なくとも2039年10月までカバーされるということです。また、同特許は一次性進行型多発性硬化症(PPMS)と二次性進行型多発性硬化症(SPMS)両方の進行型多発性硬化症の治療、疾患による悪影響の緩和、疾患の進行を遅らせることなどを対象とし、イブジラストおよびインターフェロン-βの両薬剤において「異なる製剤あるいは同じ製剤で投与すること」「同時または連続して投与すること」のほか、各々の投与量や投与期間、異なる投与頻度などを広くカバーするとしています。

 同社は「進行型多発性硬化症を対象としたフェーズ2b臨床治験(SPRINT-MS)のデータ解析の結果、MN-166とインターフェロン-βの併用には相乗効果があり、MN-166単独投与の場合と比較して身体障害の進行リスクをさらに低下させる可能性があることが示唆され、本特許と同様の特許がすでに米国でも承認されている。欧州でも同様の併用療法の特許が承認決定されたことは、MN-166の潜在的価値を更に高める可能性があり、とても嬉しく思う」と、述べています。(QLife編集部)

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