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円形脱毛症 にはさまざまなタイプ 病期や重症度に応じて治療法の選択を きょうからヘア活

産経ニュース / 2024年5月2日 9時0分

昔からよくある頭皮の悩み「円形脱毛症」は、円形や、それに似た形(類円形)で脱毛斑(はん)を生じる疾患です。自己免疫疾患の一つとされ、本来は体に侵入した病原体を退治している免疫細胞が、毛包(毛を作り出す部位)の下端にある毛球部を攻撃することで炎症反応が起こり、脱毛が生じます。

脱毛が起こる部位や形態はさまざまです。1カ所に生じる「単発型」▽複数部位の「多発型」▽広範囲に頭髪が抜ける「全頭型」▽頭髪に加え眉毛、まつ毛や体毛も抜ける「汎発(はんぱつ)型」▽生え際が帯状に脱毛する「蛇行型」▽急速に全頭性の脱毛が生じる「急速進行型」があります。

治療の選択肢は多岐にわたり、臨床や検査による所見、副作用を考慮した上で決まるため、医療機関により異なる場合がありますが、今回は代表的な一部の例をご紹介します。

症状が出て間もない急性期や、単発型や多発型(数個程度)の場合、ステロイドの外用薬や注射薬を用いることがよくあります。毛球部での活発な炎症反応を抑え、症状を改善します。

脱毛面積が頭部の25%以上と広い場合は、痛みを伴う注射による治療ではなく外用薬が選択肢となります。また発症から6カ月以内に脱毛面積が頭部の25%以上となる進行の早い症状には、ステロイドの点滴(パルス療法)で進行の勢いを抑えることが検討されます。

一方、慢性期には局所免疫療法が検討されます。これはSADBE(スクアレン酸ジブチルエステル)やDPCP(ジフェニルシクロプロペノン)という試薬を塗布し、円形脱毛症とは異なるタイプの炎症を引き起こして別の免疫反応を誘導し、症状を改善する方法です。しかし、その機序にはまだ未解明な部分があります。

また近年では、脱毛面積が頭部のおおむね50%以上を占め、かつ症状が6カ月以上続いている重症例に、分子標的治療薬であるバリシチニブ、リトレシチニブが保険適用になりました。抜け毛の原因となる毛包の炎症反応に関わる「ヤヌスキナーゼ」という物質を阻害して、炎症を抑え、症状を改善します。

円形脱毛症は単発か数個なら、自然に改善するケースが多いです。しかし面積が広かったり、進行が急速であったり、頭髪以外の毛も抜けたりする場合などは、重症化する恐れもあります。皮膚科を受診し、医師の指示を仰ぎましょう。

(Dクリニック新宿 医師 杉田淳)

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