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シーズン停止中もNBAを楽しもう。NBA選手が教えるドリル編【大柴壮平コラム vol.33】

NBA Rakuten / 2020年5月15日 12時0分



 


コロナ禍による外出自粛要請が続く中、NBAではコーチや選手が「家でできるドリル」をSNSに公開し、外に出ず家で練習するように呼びかけている。今回は数あるドリルの中から、現役NBA選手のボールを使ったドリルに絞って紹介しようと思う。紹介するにあたり、39歳エンジョイ・ボーラーの私が実際に挑戦してみたので、参考になれば幸いである。


ドリブル無し。アパートやマンションでもできるドリル


最初に断っておくと、アメリカ人の言う「家でできる」の定義は「スペースをとらない」程度の意味だ。家の中でも彼らは平気でドリブルをついているが、アパートやマンションなどの集合住宅が多い日本で同じことをやるのは難しい。私も全てのドリルを公園で試してきた。しかし、その中でもいくつかのドリルは実際に日本の家でもできそうなものがあったので、まずはそれらを紹介する。

1つめは、オクラホマシティ・サンダー、ダニーロ・ガリナーリの「バランス&ストレッチ」ドリル。片足立ちの状態でボールを両手で持ち、頭上に構える。そこから体を前に倒しながらパートナーとボールの受け渡しを行うというだけのシンプルなドリルだ。そんなに難しくないので、準備運動代わりに取り入れるといいだろう。個人的には左足のバランスが劣っているように感じたので、左足のセットを多めにしてみた。


ドリブルが入るので公園向き。ボール1つでできるドリル。


準備運動代わりに家でドリルを3つ行ったあとは、ボールを持って公園に行こう。ここから先のドリルはドリブルだ。まずはボール1つあればできるドリルを紹介する。なお、くれぐれもソーシャル・ディスタンスには気をつけた上でトライしていただきたい。


ボール+αを使ったドリル


ボール1つでできるドリルは気楽だが、長く続けていると飽きることもあるだろう。そんなときはボールと何かを組み合わせたドリルにトライするのも面白い。

まずは、メンフィス・グリズリーズ、ジャレン・ジャクソンJr.の「ツー・ボール・ドリブル」ドリル。2つのボールを同時にバウンドさせたり、交互にバウンドさせたり、高さを変えてみたりと色々アレンジすることができる。私は朝活で家族と一緒に公園に来ていたので、2つのボールをつきながら息子のディフェンス(?)をかいくぐるなどアレンジを加えてみた。今回は有り合わせのボールを使ったが、同じ種類のボールに同じぐらいの空気を入れて行った方が賢明だと思う。


このコラムを書くにあたって久方ぶりにハンドリング練習を行ったが、なんだか初心に返ったように気持ちがリフレッシュされた。衰えるに任せていたハンドリングも、まだ上達する余地があるように感じられたのが嬉しかった。私のバスケ人生も最晩年。今から練習に励めば、コロナ禍明けにもう一花咲かせられるだろうか。そんなことを妄想しながらドリブルをつこうと思っている。


大柴壮平:ロングインタビュー中心のバスケ本シリーズ『ダブドリ』の編集長。『ダブドリ』にアリーナ周りのディープスポットを探すコラム『ダブドリ探検隊』を連載する他、『スポーツナビ』や『FLY MAGAZINE』でも執筆している。YouTube『Basketball Diner』、ポッドキャスト『Mark Tonight NTR』に出演中。



ドリブルを使ったドリルの1つめは、インディアナ・ペイサーズ、マイルズ・ターナーの「ドリブル・バランス」ドリル。片足立ちでドリブルを30秒つくというシンプルなドリルだ。右足で立っているときは右手で、左足で立っているときは左手でドリブルする。私は手足共に右利きなので、てき面に左右差が感じられた。左手の拙いハンドリングを弱い左足で庇いきれず、体でバランスを取ろうとしてしまうようだ。その結果、右手右足では起こらない体のブレが発生してしまった。


続いては、フィラデルフィア・76ersのルーキー、マティース・サイブルの「サイド・トゥ・サイド&ビトウィーン・ドリブル」ドリル。まず片手で内側、外側の順にドリブルし、その後股の間を通して逆の手に持ちかえる。そして今度はもう一方の手で同じドリルを行う。ここまでのドリルで痛感したのが、私の左手のハンドリングが劣化していることだったが、このドリルでも左手に持ちかえるときに左足がズレてしまった。サイブルの動画を見直して研究したところ、上半身を振ることで上手くバランスが取れるようだ。それを真似してからは足がブレなくなったので、上手くできない人は参考にして欲しい。



最後に紹介するのは、インディアナ・ペイサーズ、マルコム・ブログドンの「プランク・ドリブリング」ドリル。内容はいたってシンプルで、腕立て伏せの姿勢でドリブルするだけだ。しかし、シンプルとはいうものの、初動が難しい。動画のブログドンは、腕立て伏せの姿勢になったあと、片手でボールを鷲掴みにしてドリブルを始めている。残念ながら私は片手でボールが持てないので、ボールを手のスナップで叩いて浮かせてから始めることにした。感想は「意外とできる」だ。見た目より難易度が低い。腰が上がってしまったり、ドリブルが低く制御できなかったりと課題は残ったが、続けていればモノになりそうな感触を得た。




次に紹介するのは、ポートランド・トレイルブレイザーズ、アンファニー・サイモンズの「シーテッド・ドリブル」ドリル。椅子に腰掛けた状態でドリブルし、膝の下を通したり股を通したりする。膝下のクロスオーバーは簡単だ。ボールの移動範囲が狭いので、立った状態でバック・チェンジを繰り返すよりは遥かに易しい。股を通す方は、少しだけ難易度が上がる。ボールが通るときに膝を倒すのだが、そのタイミングさえ覚えてしまえば問題ない。

最後に紹介するのは、バスケットボールとテニスボール大のラバーボールを使った、メンフィス・グリズリーズ渡邊雄太選手のドリルだ。これは神経系を鍛えるコーディネーション・トレーニングと呼ばれる練習方法の1つで、日本でもよく若い年代の練習に取り入れられている。ドリルの内容は、レッグスルーやバック・チェンジでクロスオーバーする間にボールを扱っていない方の手でゴムボールを浮かせたりついたりするというもの。先日『NBA情報局 DAILY9』に出演した際、渡邊選手自身が「あまり簡単なものを上げても面白くないと思った」「毎日練習すればできるようになる」と語っていたが、たしかに他のドリルの数倍難しい。私は感覚になれるためにフロント・チェンジで練習、その後レッグ・スルーやバック・チェンジに挑戦してみた。個人的にはフロント・チェンジと同じリズムでやれる分バック・チェンジの方が易しく感じられた。一方のレッグ・スルーの方はほぼお手上げ状態。また家族と朝活するときにでもチャレンジしたい。




次に紹介するのは、サクラメント・キングスのハリソン・バーンズが投稿した「ウエスト・ラップ」ドリル。その名の通り、ウエストの周りでボールを回すドリルだ。私の世代だと誰もがバスケ部に入部して真っ先にやる基礎練の1つなので、懐かしい。漫画『SLAM DUNK』でも初心者の桜木花道がやっていた。これも誰でもできるトレーニングだが、飽きないためにはスピードアップに注力するのがいいだろう。顔の周り、足の周りを回すというバリエーションもある。


最後はワシントン・ウィザーズのモリッツ・バグナーが紹介していた「タップ・トゥ・トリプルスレット」ドリル。まずは頭上に上げたボールを両手でタップしながらジャンプ。途中でタップをやめてトリプルスレットに移行するというドリルだ。地味なドリルだが、シカゴ・ブルズやオーランド・マジックで活躍したホーレス・グラントも同じドリルを紹介していたので、効果が認められているのだろう。ちなみにこんなシンプルなドリルでも、私の左手のハンドリングはかなり怪しかった。先が思いやられる。




(C)2020 NBA Entertainment/Getty Images. All Rights Reserved.



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