月城かなとが厳選!宝塚歌劇のおすすめ作品3選:インタビュー後編
Rエンタメディア / 2024年11月9日 10時0分
ーありがとうございます。宝塚をプロモーションするという新しい目線ですね。
ふふふ……(にっこり)。
ー実は単純に時期で選ばれたのかなと思いました。
ああ! なるほど! 確かにそうとも見えますね。ちゃっかり自分の主演作品も入れちゃいました。
ーむしろ皆さん喜んでくださるかと思います。それぞれのセレクト理由と、当時の思い出などを伺わせてください。
●おすすめ作品①
星逢一夜(’15年雪組・東京・千秋楽)
ー『星逢一夜』についてはいかがでしょうか。
もしかしたら、宝塚に対してお芝居のイメージってあまりないかもしれないですよね。宝塚といえば華やかな、例えば羽根やラインダンスなどのイメージがあるかもしれませんが、この作品はお芝居を緻密に作った思い出があります。作品に対してみんなが全力で向き合った、少しの抜けも許されない、その世界観に集中して入っていくように作ったので、この作品をやれたことが、多分出演していたみんなにとって、すごく思い出に残っているんです。忘れられない何かがそれぞれにあると思います。だから、ぜひご覧いただきたいなと。宝塚をご存知の方は観ていらっしゃるかとは思うのですが。
ー本当に名作ですよね。
大変でしたけれど。
ー大変だったんですね。舞台撮影をしながら嗚咽した記憶があります。
泣いたらお客様が冷めてしまうから、絶対に泣いちゃいけないみたいな、歯を食い縛りながらやっていた思い出があります。
ー実は、望海風斗さんも、咲妃みゆさんも、『星逢一夜』を選んでくださったんです。
命をかけてやっていらっしゃる真ん中の方の姿をずっと見ていた記憶もあるので、そういう意味でも忘れられないですね。
ー月城さんは、本公演では細川慶勝を演じて、主人公の天野晴興(紀之介)には反発する役をされていましたが、どんなことを思いながら演じていましたか?
複雑な話なので、説明するのが少し難しいのですが、主人公の晴興という人は、どこにも属せないんですよね。最初の蛍村でも「なんか違う、特別だ」と思われて、いざ徳川の方に行っても馴染めない、自分の居場所となるところがどこにもない人なんです。そういう空気感を作ることにすごく集中していた思い出があります。誰でも、どこにも自分の居場所がないんじゃないかとか、どこにも馴染めないとか、思ったことがあると思うのですが、そういう中でそれを見せずに、ひたすら耐える晴興の辛さみたいなものを感じていただけたらと思います。
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