米国大使が「米中関係はある種の正常な状態回復」と発言―海外中国人向け情報サイト
Record China / 2024年6月10日 7時0分
![写真](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/recordchina/recordchina_RC_935008_0-small.jpg)
米国のバーンズ駐中国大使は6日行った講演で、米中関係は「ある種の正常な状態」に回復したと表明した。だだし、かつての状態には戻らないという。写真は米国大使館のウェイボー(微博)への投稿より。
海外在住中国人向け情報サイトの留園網は7日、米国のバーンズ駐中国大使が6日に、米国側組織のアジア協会で行った米中関係をテーマとする講演を紹介する記事を掲載した。バーンズ大使は米中関係は「ある種の正常な状態」に回復したが、両国の協力がかつてと同様になることはないと主張した。
米中関係は「ある種の正常な状態」に戻ったが
バーンズ大使は米中関係について、バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が2023年にカリフォルニア州で会談してから「ある種の正常な状態」に戻ったと述べた。大使が22年初頭に駐中国大使に就任した際よりも、良好な意思疎通ができるようになったという。
バーンズ大使は、5月末から6月初頭にかけて開催されたIISSアジア安全保障サミット(シャングリラ会合)で米国のオースティン国防長官と中国の董軍国防相が対話したなどの、米中両軍の交流が特に重要だと述べ、さらに「両国の空軍と海軍が非常に接近した位置にあること。特に南沙諸島と西沙諸島、南シナ海の国際水域と空域、尖閣諸島と東シナ海の諸島、当然ながら激しい係争が存在する台湾海峡があることを踏まえると、われわれ両軍は対話せねばならない」と表明した。
バーンズ大使は、米中はAIリスクに関する議論や違法薬物のフェンタニル対策での協力、民間交流でも進展があったとの見方を示した。そして、米中両国は長期的な戦略的競争関係にあるが、両国は意思疎通を保ち、衝突を管理抑制する必要があるとも指摘した。
過去の対中接触は正しかったが、今の中国は別物
バーンズ大使は、「われわれがトウ小平、江沢民、胡錦濤と接触しようとしたのは正しかったと思う」と述べ、「米中は北朝鮮、イランの核問題解決で協力してきた。例えば国連安全保障理事会でイラン制裁決議案を採択したり、(イランを巡る)6カ国協議に共同参加するなどしてきた」と説明した。
バーンズ大使は、米国が中国と協力する機会が過去のようでなくなったことは、中国の指導者の変化と関係があるとの見方を示し、「世界に目を向ければ、24年の中国の行動は全く異なる。攻撃的で一部の近隣諸国を一顧だにせず、また、中国国内での抑圧もさらに大きくなった」と論評した。
バーンズ大使は、「今の中国はアジア太平洋、さらには世界全体でより大きな影響力を勝ち取ろうとしていると考えている」「中国の指導者は『東は昇って西は下がる』と繰り返しているが、これは中国の間違いだ」と述べ、「彼らが間違っている点は、日本、ドイツ、EU、NATO、米国に対する予測だ」との考えを示した。
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