中国のユニコーン企業が大幅に減ったワケ
Record China / 2024年6月21日 5時0分
一方、2023年に中国のユニコーン企業は大幅に減少し、44社しか増えなかった。米中のユニコーン企業数の差は急速に広がっており、中国は現在、企業数世界2位をキープしているものの、すでに総量では米国の半分にも及ばない。世界のユニコーン企業の分布は米中互角から米国への集中に変わりつつある。
中国のユニコーン企業は、数だけでなく、競争力も大きく低下している。2023年に世界のユニコーン企業の中で評価額の減少が最大の10社は、5社が中国企業で、2社が米国企業だ。最も評価が上昇した10社のうち、米国が5社だったのに対し、中国は2社にとどまった。
科学技術イノベーションでも、中国のユニコーン企業は米国と比べると大きな開きがあるといわれている。中国のユニコーン企業は主に先進製造、自動車交通、インテリジェントハードウェアなど、「ハード」分野の科学技術分野に集中している。
人工知能(AI)、ビッグデータを中心とする先端科学技術分野では、中国のユニコーン企業はわずか40社だが、米国は443社。そして、未来の産業競争がより決定的な意味を持つのはAI、ブロックチェーン、データ分析、フィンテックを基礎とした新興産業だ。
中国のイノベーションは先進レベルではない?ユニコーン企業減少の理由
中国のユニコーン企業が減少した原因は何か。以下の3点が考えられる。
第一に、国際環境の変化の影響だ。冷戦後、中国は改革開放をさらに加速させ、科学技術・経済面での交流も多くなっていた。だが、中国の国力や世界政治・経済での発言権が強まり、中国が社会主義現代強国の建設を進める中で、米中両国の政治関係は緊張するようになった。
両国間の競争は貿易から科学技術などにも広がり、米国はサプライチェーン移転戦略を打ち出し、中国からの「デカップリング」を図った。米国は中国企業の米国上場に極めて高いハードルを設けるようになり、中国企業の米国でのビジネス展開は一定の「制約」を受けた。
第二に、国内経済の影響だ。米中貿易摩擦と2020年から4年間続いたコロナ禍は、中国の国内経済に大きな影響を与え、2020年度の全人代では経済成長目標が示されないということも起こった。また、経済成長の減速は雇用情勢を悪化させ、個人消費の不振を引き起こし、人々の経済に対する「期待(見通し)」を回復させるために、「カンフル剤」的措置を取る必要があった。
その一方で、インターネット企業や不動産企業などへの監督管理も強化された。2020年末から2021年初めに、中国政府は「資本の無秩序な拡大を防ぐ」という措置を打ち出した。インターネットプラットフォーム企業への「独占禁止の強化」などの措置は、中国政府が第18期三中全会で掲げた「資源配分における市場の決定的役割を果たさせる」という目標の具現化を目指したものだ。
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