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中国のユニコーン企業が大幅に減ったワケ

Record China / 2024年6月21日 5時0分

今年の全国両会(全国人民代表大会・全国政治協商会議)期間中、全国政治協商会議委員で上海交通大学中国発展研究院執行院長の陸銘逓氏は、中国メディアの取材に対し、「中国は収縮的政策を打ち出すことがあり、企業が発展することをためらう」と述べ、さらに、「最終的には、みんな比較的安全なことをやりたがり、リスクのある分野には投資をためらう結果になる」と語った。陸氏の言葉は、経済の減速の中で打ち出された政府の「構造改革」の影響によって企業マインドが悪化したことを示している。ゆえに昨年来、中国政府は民営企業の活性化策を打ち出すようになったのだ。

中国経済減速の一時的影響として「科創板(上海証券取引所に設立されたハイテクスタートアップ企業向けの証券市場)」資本市場の縮小を招いた。2021年の中国のベンチャーキャピタル(VC)、プライベートエクイティ(PE)投資規模は1兆4228億元だったが、2023年には6928億元に減少し、減少幅は50%を超え、イノベーションプロジェクトに必要な資金的基盤を失った。

中国の金融専門家、田軒氏が11日に発表した「ユニコーン企業の新規増加数減少の背景、われわれが反省すべきことは何か」と題する記事は、新規ユニコーン企業数が減少している背景として、流動性不足を挙げた。田氏は「外資投資の減少が引き起こした『過大評価バブル』が崩れたことが、ユニコーン企業の資金調達に支障をきたした」と指摘した。これは中国の「起業・革新ブーム」が起こったが、中国の科学技術イノベーションはまだ十分なレベルになっていないことによる過大評価と理解できる。

第三に、中国は製造業に強みがあるため、ユニコーン産業の大部分が製造業に集中していることだ。中国は発展レベルが不均衡で、工業化段階、ポスト工業化段階が混在しており、製造業は中国経済にとって重要な産業の一つとなっている。

前出の「企業改革と発展」の記事は、中国のユニコーン企業が製造業分野に多いと指摘して、次のように述べた。

「昨年の科創板市場の投資分布を例にとると、半導体、化学工業、機械、自動車の4産業は4000億元以上の投資を獲得し、株式投資市場全体の約70%を占めたが、デジタル科学技術、AI、インターネットによる投資はわずか850億元だった。製造分野は投資の規模が大きく、サイクルも長いため、ユニコーン企業が少ない。」

AIなどの技術は、3月の全人代以降に強調されるようになった「新たな質の生産力」の一部で、今後発展させる方向にある。また、デジタル経済について、国務院研究室の専門家が執筆した「政府活動報告」の解説論文によると、「デジタル科学技術革新能力の向上が待たれ、一部のコア分野の技術とテクニックのレベルは世界の先進レベルと開きがある」と述べており、イノベーション力の一層の向上が必要と指摘する。そのため、中国政府は科学技術の自立自強を掲げ、「新しいタイプの挙国体制」で科学技術力の向上を図っている。

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