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中国経済の見通し改善のカギは「政府の手」か

Record China / 2024年7月17日 7時30分

第三に、実体経済の発展をサポートするという考え方だ。中国共産党はマルクス主義政治経済学を現状に合わせて適用する方針であり、金融が実体経済から遊離し、バーチャルな投資に走ることには否定的な態度で、金融は実体経済を支援するという理念を強調している。その方針の下、中国政府は中小企業向け融資などを実施し、実体経済へのサポートを強化している。

以上のような要因が、海外の金融機関の中国経済に対する見方に影響したのではないかと筆者は考える

投資家の信頼感の高まりは、長期的な経済発展にとって非常に重要なインフラや教育、医療などの主要セクターへの投資を増やすことにプラスとなる。それは当然のことながら、生活水準の向上やイノベーションの推進を助けることができる。また、質の高い投資を呼び込む能力は雇用や新産業の発展を後押しすることができる。

信用格付けが高いことは、外国のみならず、中国国内の市場の「期待」に好影響を与える。中国で経営活動を行う企業にとって、これは予測可能な経済環境を意味し、それによって長期的な計画と投資に有利となる。中国の貿易相手国や投資家にとっては、中国でのビジネスに関するリスクが軽減され、より安定的で長期的な経済関係が保証されることになる。

中国は今後、短期的にはどのような経済運営をしていくか。全体的な短期方針は7月末の政治局会議を見る必要があるが、李強・国務院総理が9日に招集した経済情勢専門家・企業家座談会もある程度ヒントなるだろう。

李総理は現状について、「われわれは質の高い発展の推進に力を入れ、マクロコントロールの度合いを強め、新たな質の生産力の発展を加速し、経済が全体的に安定し、構造が絶えず高度化している」としており、質の高い発展のニーズに沿った「新たな質の生産力」を発展させるため、構造の行動化に取り組んでいるとしており、経済回復を前提にしている。

今後の取り組みについては、以下のように述べている。

「経済持ち直し・回復基調を強固にし、革新(イノベーション)駆動の発展を堅持し、新たなエネルギーを育て、強大にし、新たな成長空間を切り開かなければならない。現在の技術更新の一層の加速、破壊的イノベーションの一層の増加、分野を跨ぐ融合の一層の深化などの新たな特徴に合わせ、企業の主体的役割を十分発揮させ、的を絞って政策支援を強化し、より多くの基幹コア技術の新たなブレークスルーを促進しなければならない。不合理な体制・仕組みを改革し、各方面の積極性、主体性、創造性を一層引き出し、社会全体のイノベーション活力を十分喚起し、わが国の規模が大きな各種イノベーション資源を組織し、生かし、巨大なイノベーション力を持続的に引き出さなければならない。」 

ここでよく見られる言葉は「イノベーション」だ。イノベーションを進めることによって、新たな成長分野を発展させ、新たな設備投資を促すことが大きな目標だ。ドローンなどの「低空経済」はその例だろう。

「企業の主体的役割を発揮させる」とあるが、民間企業の活躍の余地もあり、雇用問題の解決にも一定の役割を果たすことができる。

その一方で、経済構造の高度化の中で「淘汰」された労働者の職業訓練も重要となってくる。

中長期的な目標は15日から開かれる第20期三中全会で決定される。本稿執筆時点で、会議のコミュニケが公表されていないため、内容が分からないが、短期的には中国は適度に景気回復のアクセルをふかしつつ、人々が中国経済に明るい見通しを持てるような「構造改革」を行っていくのではないと筆者は考える。

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