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酷暑・地球温暖化は常態化するのか=昆虫食など「第4の農業革命」が必要?―ポスト岸田政権はグローバル視点で対応を

Record China / 2024年9月26日 6時30分

将来、世界的な食料不足が顕在化するのではないかと心配になるが、田家氏は「第4の農業革命」で乗り切るべきだと主張する。人類はこれまで、約1万2000年前の農耕の開始、約5000年前の灌漑農業のスタート、大航海時代以降の新大陸に由来する農作物(ジャガイモ、トウモロコシ)の大量生産など、農業革命と呼ぶべき新たな取り組みで食料を増産し、生き延びてきた。気候変動に伴う農業適地の縮小に対応するには、そうした新たな発想が必要というわけだ。

具体例の一つとして田家氏は、コオロギなどの昆虫食の普及を挙げる。昆虫を食べることに抵抗感を持つ人は多いが、同氏は「ジャガイモだって、欧州では最初、奇妙な形でうつ病を起こす植物とうわさされ、『悪魔のリンゴ』と言われた」として、発想の転換を訴える。確かに、昆虫はたんぱく源として牛肉に比べコストが安く、環境への負荷も少ないなど、いいことづくめ。粉状またはペースト状にして提供すれば、見た目の抵抗感も薄れる。将来予想される食料不足を乗り切るには最良の選択肢かもしれない。もっとも私個人としては、可能ならコオロギを食べることなく生涯を閉じたいと希望するが…。

「暴れる気候」の時代が到来か

それにしても、温暖化はこれからも続くのだろうか。東京大学大学院の杉田精司教授によると、地球は22億年前、7億年前、6億年前の少なくとも3回、表面が全面的に凍り付く全球凍結(スノーボールアース)に陥ったという。赤道部分を含め地球全体が氷に覆われている状態というのは私の貧弱な想像力の範囲を超えているが、過去3度あったということは、これからも起きる可能性はあるのだろう。

古気候学者の中川毅氏が著した「人類と気候の10万年史」(講談社ブルーバックス)によると、500万年前の地球は今よりかなり気温が高く、南極、北極を含め地球上のどこにも氷河は存在していなかった。それが300万年前ごろから寒冷化が進行。最近80万年をとってみると、「氷期」の時代が基本で、10万年に一度ずつ1万年程度の温暖な時期が現れるサイクルが続いている。つまり、現在のような温暖な時代は1割ほどしかなく、例外的存在なのだという。そして、人類は約1万2000年前からの直近の温暖な時代を活用して文明を育んだ。

このサイクルは太陽を回る地球の公転軌道の変化に基づくと考えられているが、これが続いているとすれば、そろそろ氷期に入ってもいい時期だ。しかし、現在の地球は温暖化が進んでいる。人類が温室効果ガスを垂れ流していることで新たな氷期の到来が先延ばしされているとする説もあるが、果たしてそうなのか。

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