[低音強化]“低音”の鳴り方を簡単チューニング
レスポンス / 2023年3月12日 19時0分
クルマのドアに取り付けられるスピーカーは、口径的な問題で低音再生力に限界がある。ゆえにカーオーディオでは、超低音再生のスペシャリストである「サブウーファー」が活躍するのだが、それを使わずしてできる「低音再生法」もある。今回はそれらを紹介していく。
◆「トーンコントロール」機能でも、低音の聴こえ方が変えられる!?
前回は、超基本的なサウンドチューニング機能である「フェーダー」を活用する「低音増強法」を紹介した。それに引き続いて当回では、それ以外の基本機能を使って行う「低音再生法」を紹介していく。
まずは「トーンコントロール」という機能の活用法から説明していこう。なお「トーンコントロール」とは、「バス(低音)」と「トレブル(高音)」、またはそれに「ミドル(中音)」も加えた2つないし3つの音域のそれぞれの音量を調整できる機能だ。で、これを操作することで、気分に応じてサウンドの“味付け”を変えられる。
その一方で「トーンコントロール」は、それとは異なる使い方も実行可能だ。聴いている音量に応じて操作することで、“聴きやすさ”を変えられるのだ。
では具体的な操作方法を紹介していこう。まず、音楽を大きな音量で聴いているときには低音と高音の存在感が強くなりすぎる傾向がある。そんなときは「バス」と「トレブル」の両方をやや下げてみよう。そうすると高音が耳に刺さりにくくなり、低音のうるささも緩和される。
逆に小音量で聴いているときには、低音と高音のそれぞれが特に聴き取りづらくなる。なので小音量時には「バス」と「トレブル」の両方を少々上げ気味にすると、全体の帯域バランスが良化する。
◆ドア内部の鉄板の「ビビリ音」が気になるときには、「バス」を下げるのもアリ!
ところで大音量で聴いているときには、他の問題が発生することがある。それは「ドア内部の鉄板の共振」だ。というのも、スピーカーは裏側からも音を発する。なのでドア内部にはスピーカーの裏側から放たれた音エネルギーが充満する。そしてその音エネルギーの中の低音成分は、ドア内部の鉄板を共振させ“ビビリ音”を発生させる。
なおドア内部がビビる場合には本来、ドア内部の音響的なコンディションを整える方策である「デッドニング」を行うべきだ。なのでもしもビビリ音が気になるのであれば、速い段階で「デッドニング」の実行を検討しよう。
ただし“ビビリ音”がそれほど気にならず、しかも大きな音量で音楽を聴いているときにだけ気になるという場合には、大音量時に「トーンコントロール」の「バス」を少し下げてみよう。そうすると“ビビリ音”の発生原因を多少なりとも抑制できる。
でも当操作は「低音増強」とは反対方向の操作となるので、絞り過ぎると音楽がつまらなくなる。というわけなので、“ビビリ音”の抑制と低音の迫力とを天秤にかけながら、都度ベストな設定を探りたい。
◆サブウーファーを使ってないときも、「クロスオーバー」の積極活用が吉と出る!
続いては、中級以上のメインユニットに搭載されていることが多い「クロスオーバー」の活用法を紹介したい。なお当機能は本来、サブウーファーを導入した際に使う機能だ。そのときにこれを用いると、ドアスピーカーとサブウーファーのそれぞれに対して再生帯域を割り振れる。しかしサブウーファーを使っていないときにも以下のような使い方を実行可能だ(一部の機種では、サブウーファーが未接続の場合には使用できなくなっている)。
ドアスピーカーは実は、超低音の再生はあまり得意ではない。ゆえに、濁った超低音を再生しがちだ。しかし「クロスオーバー」機能を使うと超低音をカットできるので、サウンドがすっきりする。これも「低音増強」とは逆のアプローチだが、しかし結果、良質な低音だけを聴けるようになるので総合的にはプラスに作用する。
また当機能を使うことで、「トーンコントロール」を操作するときと同じように、“ビビリ音”の抑制効果も上げられる。
もしも愛車のメインユニットに「クロスオーバー機能」が搭載されていたらしめたものだ。サブウーファーを使っていない場合にもこれを積極活用すると音が良くなる。ぜひお試しを。
今回は以上だ。次回からはサブウーファーの注目アイテムを紹介していく。お楽しみに。
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