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実用化に向け進化し続ける、ヤマハの小型低速EV「DIAPASON」

レスポンス / 2024年3月1日 8時0分

2月28日に東京ビッグサイトで開幕した「第15回国際スマートグリッドEXPO 春」、ホンダブースでは着脱式可搬バッテリー「ホンダモバイルパワーパック e:」を活用した様々なモビリティの提案が見られたが、注目は共同出展となったヤマハ発動機の展示だ。ホンダのバッテリーを搭載したパーソナル低速モビリティ「DIAPASON(ディアパソン)」のコンセプトモデル2台がホンダブースに並んだ。1月の「東京オートサロン」で初公開されたモデルからさらに進化。「ビジネスの可能性を広げていく」とアピールする。


展示されたのは、研究開発中のパーソナル低速モビリティの汎用プラットフォームを採用した2機種の電動モビリティ、「DIAPASON C580」と「DIAPASON C350」。これまでヤマハの汎用プラットフォームは「YAMAHA MOTOR PLATFORM CONCEPT」と呼ばれてきたが、今回の発表に合わせ「DIAPASON」と新たに名付けられた。車体の基本は東京オートサロンに展示された車両と同じだが、デザインが装備がアップデートされた。


このDIAPASONは、ヤマハ製の電動モーターと、ホンダの着脱式可搬バッテリーを搭載するもので、このプラットフォームをベースに、多様な低速モビリティへの展開を想定している。様々な企業や自治体とのコラボレーションにより、地域や用途に合わせたモビリティを追求するプロジェクトだ。バイクメーカーであるヤマハが、カスタムカーの祭典である東京オートサロンに初出展した理由も、そうしたパートナー探しの一環で、「小型低速EV領域での汎用プラットフォームの市場機会探索と、その実現性やビジネスの可能性を調査することが主な目的」としていた。実際、「大きな反響があった」とプロジェクトを主導するヤマハ発動機の大東淳氏は語る。


◆2025年の実用化に向けアップデートし続ける


「DIAPASON C580」と「DIAPASON C350」もパートナーとの連携により誕生したコンセプトモデルだ。「DIAPASON C580」は、ヤマハが海外で販売する四輪バギーの小型版といったスタイルで、オフロードなど様々な路面環境でも俊敏に走破できる性能やスマートな使い勝手を提供する2人乗りの電動モビリティを提案するもの。実際に農業の現場で実証実験をおこない、「気軽に農地に入っていける乗り物が欲しい」「軽トラックよりもかっこいい乗り物に乗りたい」など、農家の声を汲み取り形にした。軽トラックよりもトレッド幅を狭くし、安全な低速領域でも“楽しく”乗れるようトルクを重視したセッティングとなっているという。100mmの段差も楽に乗り越えられる足回りも備えている。


今回の展示車両は、クルマファンにも馴染みあるTRUST、トーヨータイヤ、WORK、SKIPPERとのコラボレーションによりアップデート。WORKのホイールにタイヤはオープンカントリーを組み合わせた。シートもイエローのステッチが入ったものに置き換えられており、より趣味性の高いデザインとなっているのが特徴だ。また車体後部にはホンダモバイルパワーパック e:が搭載されていることがひと目でわかるよう、クリアパーツが装着されているのもポイントだ。


「DIAPASON C350」は、50年以上にわたり会員制リゾートホテルを運営してきたリゾートトラストとの共創により生まれた、リゾート地向けの1人乗りスモールモビリティだ。「何歳になってもリゾートではアクティブでいたい」「1人で自由に移動を楽しみたい」「趣味の道具を載せたい」といった声を形にしたもので、自分の部屋からゴルフ場までをシームレスに移動できるような使い方を想定している。今回の展示車両は、ハンドルの塗装をブラックにし上質感を高めたほか、シート下に収められたバッテリーの着脱を実際に体験できるようにした。また、さまざまな地形をもつリゾート地での走破性をさらに高めるため、より幅広なタイヤを装着することも既に想定しているという。


今回展示された2台のほかにも東京オートサロンでは計7台を見せたが、これらすべてのモデルを進化させて続けていく計画だ。


前出の大東淳氏は今後の展開について語る。


「モジュールプラットフォームという発想はこれまであまり周知できていなかった。レゴのようにいろんなコンポーネントを組み合わせたらできるという発想なので、新しい話とどんどんつながっていく。今回の展示の後でも様々な声、要望が出てくると思う。今回は(東京オートサロンから)1か月の中でしかアップデートできなかったが、これまでモビリティメーカーがあまり使っていなかったような、シミュレーターやデジタル技術を開発に取り入れると、もっと早く、少人数で作れるようになる。ただ、実際に乗ってナンボ。今年は試乗会を積極的にやって改良して、そして実販売に向けて進めていくフェーズだと思っている。すでに色々なところで試作車に300人くらいに乗ってもらっているが、今年は最終製品の形で500人くらいには乗っていただけると思う。そうすることで、もっとリアリティのある課題が見えてくる」


ヤマハが計画する2025年の実用化に向け、プロジェクトはすでに最終コーナーに差し掛かっている。

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