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『GSX-8R』はスズキの良心が産んだ傑作!共通プラットフォームの恩恵と、サーキット仕込みの個性

レスポンス / 2024年3月12日 18時30分

専用設計という響きが日本人には好まれる。オーダーメイドだったりオンリーワンだったり。 2024年モデルとして登場した『GSX-8R』は共通プラットフォームを用いる4モデル中の1台である。


『GSX-8S』とは基本的にカウル付きかネイキッドか?という違いだけであるが、かたや『Vストローム800』、そして『Vストローム800DE』となれば、これはかなりオフロードも意識したマシンである。


そんな4モデルを1つのプラットフォームでまかなう。 「コストダウンだろう?」と口の悪いライダーは言うだろう。 もちろん、そういった理由も少なくはないであろうと思われるが、先入観からいちど頭をクリアにしていただくことをお願いしたい。


◆オンオフ共通フレームの強みと、サーキットで仕込んだモデルの個性


これら4モデルは、どれか1つを優先して製作されたのではなく、開発当初から4モデルを想定して設計を進めていったとのこと。 一つのプラットフォームでオンオフ複数の要求を満たすといった車両の設計は、スズキとしては初の試みであったとのこと。 当然、簡単にことは進まなかったとのことだが、試行錯誤を繰り返しながら、結果的にそれぞれのマシンに満足のいく走行性能を与えることが出来たという。


フレームはオフロードも想定した剛性を確保。 「Vストローム」は大きくジャンプをしたり激しくオフロードを走らせるキャラクターではないものの、そういった使い方をする人が少なからず存在することも考慮して剛性を確保。また、「GSX-8シリーズ」ではやはりサーキットを走るライダーも存在することも含めて設計をおこなった。スズキが誇る竜洋テストコースで徹底的に走らせ、剛性面だけでなくハンドリング面でもきっちりと煮詰められたという。


◆スポーツバイクの新スタイル表現したフロントフェアリング


「GSX-8S」と「GSX-8R」の大きな違いはフロントフェアリングの有無である。「GSX-R」のイメージを取り入れつつ、新しいスズキのスポーツバイクのスタイリングを作り上げている。 もちろん、デザイン面だけでなく、風洞実験によって優れた空力を実現しているが、これも竜洋テストコースにおける実走を行い、数値面だけではない快適さを確保したという。


アップライトな「S」に対し、「R」ではセパレートハンドルを採用し、やや前傾となるライディングポジションを設定。しかし、いわゆるレースレディな前傾のきついものではなく、汎用性の高い緩い前傾となっている。


また、足回りがSのKYBに対して、RはSHOWA製を採用しているのが興味深いところである。Rが装備するのはSHOWA製のSFF-BPフォークとなり、ビッグピストンフォークをどうしても採用したいということからブランドも変更されたとのこと。また、フェアリングを装着したことによるフロント周りの重量増を軽減するという狙いもあったとのことだ。


その走りはスポーツ寄りのキャラクターに向けたもののようにイメージされるが、S以上にワイドレンジなキャラクターを目指している。前輪荷重を増やし、高い接地感を得るとともに、わかりやすい軽快なハンドリングを実現したという。


◆並列ツインの強みと、スリムなスタイリングを両立させる設計


ライディングモードはB=ベーシックを中心に、よりアクティブなAモード、マイルドなC=コンフォートと3パターンが選択可能。どのモードであっても、スロットル開けはじめのコントロール性にはこだわったとのことで、唐突感のないスムーズな特性を実現している。


すでに各方面から高評価となっているエンジンは、「Vストローム650」に搭載される名機へのリスペクトもあり、90度Vツインエンジンと同じ燃焼間隔となる270度クランクの並列ツインを採用。一方で振動対策によるバランサーを配置するが、独創的なクランク軸に対して90度に一次バランサーを2軸配置する「スズキクロスバランサー」とすることで、鼓動感や排気音は確保しつつ、嫌な振動を低下させるという1つ目の命題と同時に、コンパクト化も実現することが出来たという。


これによりエンジン搭載位置に自由度が出来、スイングアーム長も確保。マシンの操安性を高めることにつながっている。 また、Vツインに対して幅広になりやすいエンジンながら、フレームはVストローム650よりもスリムに設計されている。また、スチールフレームを採用したこともスリム化につながっているとのことだ。


共通部品を使いながらも、巧みに味付けを変え、「GSX-8R」だけが持つキャラクターを身につけた。それを多くのライダーに味わっていただくための価格設定(114万4000円)でもあり、もとをただせば共通プラットフォームありきの為せる技でもある。スズキの良心を感じさせる傑作となっている。


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