静けさの極地へ。テスラ・モデル3が誇る静粛性をさらに高める施工の実力
レスポンス / 2024年3月16日 1時35分
フォーカル・プラグ&プレイストアで施工を実施している「調音施工」は、単なる防音処理では無くクルマの不快なノイズを低減して快適な車室内空間を実現するメニューとして高い評価を受けている。今回は奥さまが乗るテスラ・モデル3への施工でその効果を試した。
◆元々静かな電気自動車に「調音施工」は必要か?
新型テスラ・モデル3編
モデル3のオーナーである奥さまドライバーのYさんは夫婦でクルマ好きであり、これまでもスポーツタイプのクルマを乗り継いできたアクティブなユーザー。夫婦二人でドライブに出かけることも多く、クルマのドライビング性能や静粛性にはかなりシビアな目を持つユーザーでもある。ロングドライブではダンナさんが運転することも多いが、普段使いではYさん自身が運転して出かけることも多い。最近テスラ・モデル3に乗り換えてドライブしていると気になるポイントがあったという。それがタイヤハウスまわりからきこえてくるサーっという騒音だった。
BEV(電気自動車)であることに加えてモデルチェンジを経るたびに静寂性が大幅に改善されているモデル3。しかし、静かなクルマだけに“わずかな騒音”が耳に付いてしまうのも事実。実際に施工前に試乗したところ、四輪のタイヤハウスまわりからの“サー”と車内に入り込んでくるロードノイズはかなり耳に付く、これがYさんが感じている不快感の原因だ。さらに、路面の段差を乗り越える際には“ガタッ”と尖った騒音が響くのも気になった。この状態を調音施工でどこまで改善できるのか?
◆タイヤハウスのインナーフェンダー施工に加え
フェンダー内側にも処理することで効果を高める
施工したのはBEWITH(ビーウィズ)製 ADVANS(アドバンス)調音シート。吸音層(ニトリルゴム発泡体)をベースに遮音層(アルミ)と不要共振を抑える強力粘着仕様の制振材(ブチルゴム)を積層した3層構造の素材が効果的に不要なノイズを排除する。この素材は水分にも強いためクルマのタイヤハウスなどへの施工も可能。さすがに音響メーカーが開発しただけあって、人間の聴感上敏感な周波数帯域を中心にノイズを低減していく。
そんなADVANS調音シートを特に気になるタイヤハウスからのロードノイズ低減対策として、前後のタイヤハウス(インナーフェンダー)への基本施工に加えて、フロントフェンダーの内側(オプション設定)にも施工。このオプションプランは同社でより高い効果を求められる方に対して2023年11月以降新たに設定し、既に多くの車両でその効果を実証済み。さらにはBEV車では定番のトランクルームのフロア全面施工を実施したことで、より車室内の静寂性を実現した。
また今回は施工しなかったが究極は、BEVのバルクヘッドへの施工(オプション)も実施することでさらに足まわりからのノイズが軽減されることも実証済みとのこと。
ところで施工時にモデル3の各部を脱着しているのを見ると、インナーフェンダーやトランクフロアへの吸音材が追加(前モデル比)され、現行型が従来型以上に静粛性の高いクルマに仕上がっているのがわかる。はたしてどこまでYさんが納得できる仕上がりになるのか?
◆サスペンションから流れ込んでいたノイズが
調音施工によって抑え込まれて静粛性がアップ
全ての作業が完了して、オーナーのYさんと施工前に走行したルートを同程度の速度で走行し、状態を比較してみることにした。
すると、走り出してすぐさま気づいたのは施工前にはサスペンションまわりから流れ込んでいた“サー”と聞こえていたロードノイズがほぼ消えている点。荒れた路面を走っても路面からのザラザラしたフィードバックを感じにくくなっている。これにはYさんも「すごく静かになりましたね、車がワンランク高級になったようですね」と愛車の変化を感じていたようだった。
さらに、路面の継ぎ目を越える際にも顕著な変化が見られた。施工前は“ガコッ”と角のある音がしていたのだが、施工後は角が削れて丸みを帯びた“トン”という音に変化しているのがわかる。衝撃音が厚い膜に包まれて遠くから聞こえてくる感覚と言えば理解できるだろうか? その結果、まるでサスペンションの衝撃吸収能力がアップしたように感じる。実際にYさんも「乗り心地が良くなったように感じます」と、音が起因する足まわりのフィーリングの違いを感じていたようだった。まさに上質な足まわりに換装したフィーリングを得ることができるのも調音施工の魅力だ。
このように、元々静かだったモデル3も調音施工を実施することでさらに上質な車室内空間にグレードアップできることがわかった。オーナー自身がその違いをリアルに体感したことでも効果のほどがわかるだろう。プラグ&プレイストアでは車種ごとの調音施工の効果を過去のテスト結果から蓄積しているので、その効果、施工方法などにも精通。モデル3のみならず、多くの車種で効果のある調音施工を体験してみると良いだろう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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