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まるで古墳時代の「住宅展示場」 国内最大・最古など60棟分の家形埴輪を展示

産経ニュース / 2024年4月28日 14時0分

国内最古とされる平尾城山古墳の家形埴輪の破片

古墳に立てられた埴輪(はにわ)のうち、家形埴輪にこだわった春季特別展が奈良県橿原市の県立橿原考古学研究所付属博物館で開かれている。高さ171センチと人の背丈ほどもある国内最大の家形埴輪や、2番目に大きい家形埴輪をそろって初公開。国内最古とされる4世紀の家形埴輪なども含めた計60棟分が並び、担当者は「さながら古墳時代の住宅展示場。埴輪といえば巫女(みこ)や武人などが注目されるが、家形埴輪がまとまって展示されるのはめったにない」と話す。

国内最大の家形埴輪は、真の継体天皇陵といわれる大阪府高槻市の今城塚古墳(6世紀前半、墳丘長180メートル)から人物埴輪など約230体分とともに出土。埴輪群は大王権の継承儀礼を再現したといわれている。国内2番目の大きさの家形埴輪は栃木県壬生町の壬生富士山(ふじやま)古墳(6世紀後半、直径86メートル)から発掘され、高さ168センチ。会場では並べて展示され、壮大さが実感できる。

家形埴輪は、古墳時代の4~6世紀を通じて全国の古墳にみられ、形象埴輪の中で最も重要とされる。古墳の頂上部に置かれることが多いため、死者の魂が宿る場所との説や、権威のシンボルといわれる。ただし、大型で壊れやすいため完全な形で残ることは少ない。

特別展では、時期ごとに並べて形や製作技法の変遷を分かりやすく紹介。国内最古とされる家形埴輪は京都府木津川市の平尾城山古墳(4世紀半ば~後半)で出土し、他の古墳の家形埴輪より壁が薄いのが特徴で、弥生時代の家形土器の影響が残っているともいわれる。青柳泰介学芸課副主幹は「家形埴輪は、5世紀に人物埴輪が出現するとしだいに脇役となり、作り方も省力化する。こうした変遷も見てほしい」と話す。

6月16日までで月曜休館(祝日の場合は開館)。大人800円、高校・大学生450円、小中学生300円。今月28日、5月12日、6月9日には研究者による講演会が同研究所講堂で開かれる。いずれも午後1時からで定員250人、聴講無料。問い合わせは同館(0744・24・1185)。

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