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訪日客の消費が大幅増 訪日客と地元民の料金分ける「二重価格」が広がる可能性も 

産経ニュース / 2024年5月10日 18時43分

円安で訪日客の消費はかつてないほど旺盛だ=東京・浅草(酒井真大撮影)

円安の恩恵もあり訪日外国人客の旺盛な消費が続く中、訪日客向けと日本人客向けで料金を分ける「二重価格」を導入する店が目立つようになってきた。これまでは、観光地の飲食店やホテルなどが強気の価格を設定する一方、国内客離れへの懸念から値上げに慎重となる「二極化」が鮮明となっていた。だが、ここにきて「オーバーツーリズム(観光公害)」が顕在化し、訪日客向けの対応や接客コストがかかることなどから、訪日客向け価格を別途割高に設定する二重価格の導入に前向きな動きもみられる。

売れる7000円の海鮮丼

財務省が10日発表した令和5年度の国際収支速報では、訪日客の消費額から日本人が海外で使った金額を引いた旅行収支が4兆2295億円となり、過去最大だったコロナ禍前の元年度を上回った。こうした状況を反映するように、最近は、都内で1食約7000円もする海鮮丼や1本約3000円の和牛串焼きが「安い」として訪日客に飛ぶように売れる。一方で、訪日特需を意識した強気な価格設定に日本人客や地元民からは気軽に手を出せないなどと批判の声も強まっていた。

対策として浮上したのが二重価格の導入だ。東京・渋谷区に今年4月にオープンした「海鮮バイキング&浜焼きBBQ 玉手箱」では、平日ランチの価格を訪日客は6578円に設定し、日本人や国内在住者はそこから1100円割り引く二重価格を取り入れた。

オーバーツーリズム対策費も捻出

二重価格の導入に対して訪日客からは「差別的だ」などと不満の声があがるが、店側は「導入する店舗は訪日客向けに外国語表記のメニューを導入するなど対応分の追加コストが発生しているため道理はある」などと主張する。また、シンガポールなど一部海外でテーマパークの入場料などで外国人観光客を割高に設定し、地元民を割り引く二重価格を導入している実例もあることから、日本でもそれらを参考に導入を検討する店もあるようだ。

ロイヤリティマーケティングが2月に公表した国内在住者への調査によると、国内の観光業界で二重価格が設定されることについては「賛成する」が29・4%、「やや賛成する」が28・9%で、約6割が賛成と回答している。訪日客が殺到し地域住民の生活や自然環境が悪影響を受けるオーバーツーリズムへの対策も必要となっており、その費用捻出を理由に二重料金を導入する動きが加速する可能性もある。(西村利也)

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