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小学生がパスワード突破、100万円以上も多発するゲーム課金 悪用される親クレカ

産経ニュース / 2024年5月5日 15時7分

子供が親のクレジットカードを無断で使い、オンラインゲームに課金してしまった-。このような相談が独立行政法人「国民生活センター」に相次いでいる。相談の課金平均額は約33万円で、100万円以上という事例も少なくない。物心がついたときからスマートフォンが身近にあった「スマホネイティブ」の子供たちは、親の想像を上回る巧みさで課金している。

「共犯」の正体

約3年前、大阪市内の40代の男性会社員はカードの利用明細に首をかしげた。オンラインゲームに千円余りを課金したとあったが、身に覚えがなかった。

頭に浮かんだのは、毎日のようにオンラインゲームで遊んでいた小学校中学年だった長女。問い詰めると、親が持ち歩かずに家の棚に入れていたカードを使ったことを認めた。

〝悪知恵〟のもとは、動画投稿サイト「YouTube」。長女の検索履歴には「ゲーム 課金 カード」とあり、動画ではカード決済の方法が子供でも分かるように解説されていた。

悪用は一度だけで、その後しばらくするとゲーム自体しなくなった。その程度だったのに、容易に無断課金していたともいえ、会社員は「どんな子供でもやりかねない」と話す。

パスワードを突破

国民生活センターによると、小中高生の子供が親に無断で課金したとの相談は令和4年度、4024件に上り、記録が残る平成25年度以降で最多を更新した。令和5年度も約3900件(暫定値)と高止まり状態だ。

4年度の相談事例を分析すると、課金の平均額は約33万円。10~50万円未満が全体の半数を占め、100万円以上も6・5%あり、千円~1万円未満(2・4%)よりも多かった。

事例から浮かび上がったのは、親が無防備でなくとも、10歳に満たない小学生がセキュリティーを突破してしまう現状だ。ある事例では、親が以前使用していたスマホを自宅の「Wi-Fi」につなぎ、小学生の息子に貸与。課金には親の指紋認証が必要となる設定をしていたが、息子は友人に教わって自身の指紋を認証対象に追加していた。ほかにも、親が設定していたパスワードを小学生の子供が勝手に変更してしまうケースが複数あった。

同センターによると、未成年が保護者の同意なく契約した場合、民法上は契約を取り消すことができる。だが子供が保護者のアカウントを悪用したケースでは、保護者が決済したとみなされてしまうことがある。

同センターは「スマホやタブレット端末を子供に渡すのは、財布を渡すのと同じぐらい危ない」と強調。渡す場合は親のアカウントはログアウトし、子供専用のアカウントに切り替え、アプリのダウンロードや課金に親の承認が必要となる「ペアレンタルコントロール機能」を利用するよう呼び掛けている。

依存症のケースも

無断課金が横行する背景について、子供のスマホ依存の問題に詳しい兵庫県立大の竹内和雄教授は「今はオンラインゲームが当たり前。1人が無断課金に成功すると仲間内でその方法を共有してしまう」と指摘する。

センターへの相談事例では、ゲームのやり過ぎで社会生活が困難になる依存症「ゲーム障害」に陥っている子供も多く、専門的な治療を受けなければ根本的な解決にはならない可能性があるという。竹内氏は「食事時はスマホを触らないなど家庭内でスマホと一定の距離を保つためのルールを作り、子供だけでなく親も一緒に実行することが重要だ」と話している。(倉持亮)

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