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「悪口が聞こえない」「近所と円満に」 開運グルメが地元名物に、耳うどん 栃木・佐野 ~自慢の推し麺~

産経ニュース / 2024年5月4日 10時0分

栃木県の南西部にある佐野市といえば「佐野ラーメン」が有名だが、もう一つ、佐野を代表するご当地麺を挙げるなら「耳うどん」がある。

その名の通り、人の耳の形をしたうどんで、食べると魔よけになるという開運グルメ。もともとは正月に食べる郷土料理だったが、佐野市内の老舗そば店がメニューに加え、いまや佐野名物にもなっている。

佐野市内で「耳うどん」を提供しているのは、創業明治40年の老舗そば店「野村屋本店」。4代目の野村信行さん(65)によると、先代が約50年前に佐野市北部の山あいの仙波地区で食べられていた「耳うどん」を知り、メニューに加えたという。

耳の形をした独特の形状は、悪魔の耳になぞらえて正月三が日に食べる奇習があったらしく、「悪魔の耳を食べてしまえば、わが家の話を聞かれないので、その年は無病息災に過ごせる」とか、「耳を食べてしまえば悪口が聞こえないので、近所との交際が円満になる」などの由来がある。

江戸時代の終わり頃に生まれ、大正時代には年越し前に作り置きし、魔よけとして食べられるようになったらしい。

ともあれ、まずは注文。打ちたてのうどん生地で作った耳うどんが運ばれてきた。

汁の中には、耳の形をしたうどんが14個。うどんを箸でつまんで眺めてみると、確かに耳の形をしている。すべて手作りで打ちあがったうどん生地を、マッチ箱ほどの大きさに長方形に切り、二つ折りにしてから手でつまんで耳の形にしていくという。

元来、正月に食べる郷土料理とあって、野村屋本店では盛り付けの器とともに具材もだて巻き、なると、かまぼこ、ユズ、シイタケなどが添えられ、正月料理の雰囲気を演出。

早速、耳うどんをいただくと、ふわふわでもちもちっとした食感。小麦の香りと甘さが口中に膨らみ、ユズとシイタケの香りがしょうゆ味の汁を引き立てる。

耳うどんには、しょうゆ味のほかに、けんちん汁やかも汁、みそ煮込み、もつ煮込み、カレー煮込みなどがある。また、「グリーンカレー耳うどん」なる、この店オリジナルのスパイシーカレーも用意している。

野村屋本店の耳うどんは「さのブランド」の認証品となったほか、飲食店情報サイト「食べログ」の「うどんEAST百名店」にも選ばれた。

独特の食感が楽しめる佐野ならではの耳うどん。開運グルメとしても人気を呼んでいる。(伊沢利幸)

野村屋本店 栃木県佐野市相生町2819。「耳うどん」(800円)、「けんちん汁耳うどん」(900円)、「かも汁耳うどん」(920円)、「みそ煮込み耳うどん」(920円)、「もつ煮込み耳うどん」(920円)、「カレー煮込み耳うどん」(950円)、「グリーンカレー耳うどん」(950円)。営業時間は午前11時~午後2時、午後4時半~午後6時半。定休日は毎週木曜日(第4水曜日と木曜祝日は昼のみ営業)。【問】0283・22・0396。

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