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米国を本気にさせたなでしこ パリ五輪前、逆転負けも「収穫」の真剣勝負 サッカー通信

産経ニュース / 2024年4月21日 12時0分

サッカー女子の日本代表「なでしこジャパン」が、パリ五輪を前に〝絶対女王〟の米国に力をみせつけられた。6日に米国で行われた国際親善大会で1-2の逆転負け。スコア以上の完敗で、通算成績は1勝8分け30敗となった。それでもなかなかお目にかかれない高強度のプレーや、5万人超の大観衆が作り出す雰囲気を体感できた意義は大きく、開幕まで4カ月を切った大舞台での奮闘につなげたい。

米国は主要国際大会の五輪とワールドカップ(W杯)でそれぞれ優勝回数4回と最多。なでしこを含め、世界一を目指す強豪にとって主要国際大会の組み合わせ抽選会では「いつ決勝トーナメントで米国と対戦するか」が関心事の一つとなる。勝機を見い出しにくく、願わくば決勝まで当たりたくない絶対的な存在だった。

なでしこにも、常に巨大な壁として立ちはだかってきた。2012年3月のアルガルベ杯1次リーグで1-0で下したのが唯一の勝利で、優勝した11年W杯ドイツ大会決勝もPK戦にもつれ込んでおり、記録上は「引き分け」だ。なでしこにとって、米国は世界一までの距離を測るバロメーターであり、強豪へと引き上げてくれた「恩人」でもある。19年W杯フランス大会を最後に五輪とW杯で優勝から見放され、キックオフ前から相手を萎縮させるような神通力は失いつつあった。

それでも米国は、やはり米国だった。6日の試合では、なでしこ相手に健在ぶりをみせつけた。スピードとパワーをいかした前線からの激しい守備を起点に次々と決定機を演出。自陣からでもロングボールを活用してゴールへ迫る速攻、パスをつないで守備陣を揺さぶる遅攻も自在に駆使し、なでしこを圧倒した。

一方、なでしこも強敵相手の貴重な試合を最大限に活用した。前半1分に清家貴子(三菱重工浦和)が電光石火の先制点を奪ったことで、米国を本気にさせたことが大きい。しかも再三のピンチをしのぎ、後半32分に逆転を許すまでは攻守に渡って米国に高強度のプレーを強いた。パリ五輪でも有力な優勝候補と目される米国との真剣勝負は、チームを大きく成長させたに違いない。

米国サッカー連盟によると、会場はホームで行われた米国の国際親善試合で史上最多となる5万644人の大観衆で埋まった。日本ではなかなか感じることのできない熱気、しかも完全アウェーの独特な雰囲気は、女子サッカーの人気向上が著しい欧州で開催されるパリ五輪にも通じる。本番前に体感できたことで得難い経験を積めた。

断続的に米国とマッチメークできているのは、なでしこが高いレベルを維持している証で、日本サッカー協会の交渉力もあってこそだろう。試合前に池田太監督が「五輪のいいシミュレーションになる」と話していたように、2度目の勝利こそならなかったものの、チームの血肉となったことも多い。

米国戦の経験をパリ五輪への効果的な準備につなげ、12年ロンドン五輪銀以来となるメダル獲得に近づきたい。

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