近鉄奈良駅前に高級ホテル計画 ハイアットと提携 「奈良のファンになって」

奈良県の山下真知事は、近鉄奈良駅前にある県中小企業会館と奈良商工会議所会館の跡地を一体的に活用し、高級ホテルを誘致する計画について、公募型プロポーザルを実施した結果、東海旅客鉄道（ＪＲ東海）など３社で構成する事業体が優先交渉権者に決まったと発表した。

同事業体が計画する新ホテルは「Ｂｅｉｎｇ　ＮＡＲＡ　Ｎｅｉｇｈｂｏｒｓ！」がコンセプト。世界的ホテルグループのハイアットと提携し、利用者が奈良のファンになって繰り返し訪れ、奈良の魅力を国内外に発信する循環を目指す。

会館を巡っては令和４年８月、老朽化した県中小企業会館と商工会議所会館の３３５６平方メートルを一体的に民間に売却し、上質なホテルを設置するとの内容で県と奈良商工会議所が協定を締結。選定委員会が事業者からの提案内容を審査してきた。

公募型プロポーザルには２事業者が参加。事業内容や価格を評価して同事業体に決まった。今後は県と奈良商工会議所、同事業体の３者で基本協定を締結し、売買契約を行った上で夏頃をめどに引き渡す。

山下氏は「奈良公園周辺の神社仏閣のすばらしさだけでなく、中南和にも足を延ばして奥深さを知ってもらいたい」と話し、ＪＲ東海が計画するリニア中央新幹線を踏まえた来県者の増加にも期待を示した。