1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

リクエスト曲が沁みる「病院ラジオ」 イマドキTV+

産経ニュース / 2024年5月11日 8時30分

音楽がやけに胸に沁みることがある。ちょっと落ち込んだときとか、あるいは夕景や夜景を眺めているときとか、耳慣れた曲でも聴こえ方がまったく違ったり。メロディーや歌詞が自分の感情や視覚とシンクロするせいだろう。

テレビドラマでも挿入歌にキュンとしたりするけれど、驚くほど心を揺さぶられたのが、先日見た「病院ラジオ」のリクエスト曲だった。

NHK総合で不定期放送されているドキュメンタリー番組で、お笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんと富澤たけしさんがMCを務めている。

2人が病院を訪れてDJブースを開設し、一日限りで院内に流すラジオ番組を制作するという企画。「患者さんやご家族のふだん言えない思いを聞く」というのがテーマで、出演を希望する患者やその家族らが、ブースを訪ねて来てくれたり、手紙を書いてくれたりする。

タイトルは「ラジオ」だけれどテレビ番組なので、2人が出演者から話を聞き出す様子や、ラジオから流れるその声を聴く家族、病院関係者の表情などが映し出される。

連休中に放送されていた最新回が「福岡 がん専門病院編」。訪ねたのは福岡市にある九州がんセンターだった。29歳で悪性リンパ腫が見つかった男性や、余命1カ月と宣告された女性らが出演した。

「神様っていないのかな」と感じてしまうような絶望、平穏な日常のありがたみ、自分が支えられてきたことが分かった…。等身大の言葉の一つ一つに、しみじみと共感できる。そんな出演者が家族や友人と過ごす姿に、思い入れのあるリクエスト曲を重ねられると、演出と分かっていても胸がギューッ。「♪笑ってよ…」と歌う、さだまさしさんの「道化師のソネット」であんなに泣けるとは。

しかし、人情味と滑稽味を自然に醸し出せるサンドの2人には、こういう番組が似合うなぁ。「俺らが受け止めますよ」なんてせりふがキザにならないキャラクターはほんとに貴重。(ライター 篠原知存)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください