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女子鉄アナ・久野知美が推す、ゴールデンウィークに行きたくなる国内外の絶景を堪能できる最高の鉄道旅ベスト3

集英社オンライン / 2023年5月2日 11時1分

『友近・礼二の妄想トレイン』(BS日テレ)や『Let’s トレ活!』(BSフジ)などの番組で「女子鉄アナ」として活躍中のフリーアナウンサー・久野知美。ゴールデンウィークに行きたいとっておきのおすすめ鉄道旅行プランを紹介する。(前後編の後編)

この春行きたい国内の鉄道路線ベスト3

――久野さんは、日本のみならず海外でも鉄活に勤しんでおられます。この春おすすめの鉄道旅プランをベスト3を教えていただけますか?

【国内3位】大井川鐵道

写真/本人提供

まず、国内で言うと、トーマス号でもお馴染みの大井川鐵道がおすすめです。通年でSLやELなど観光列車を多くの本数運転していて、大井川沿いののどかな風景が楽しめます。



いま、災害の影響で本線は金谷〜家山の区間しか走ってないんですが、頑張ってSLも往復させていますし、鉄道日本一の急勾配の山を上り下りするので、途中で日本国内唯一のアプト式電気機関車と連結して、絶景駅として有名な奥大井湖上駅に行くことができます。

©️大井川鐵道

まさに湖上に浮かぶよう美しい駅で、「世界の車窓から」のような絶景が眺めが見られるのでぜひ行ってみていただきたいです。大井川鐵道は実際にスイスのブリエンツ・ロートホルン鉄道と姉妹鉄道提携をしていて、実はそっちにも乗りに行ったことがあります(笑)。

【国内2位】黒部峡谷鉄道

続いて2位は富山県の黒部峡谷鉄道。ご存知の通り国内最大級のトロッコ列車が楽しめる、インバウンド人気も高い路線です。

写真/本人提供

絶景が約束されているだけでなく、ここではニホンザルやニホンカモシカ、ツキノワグマなどの野生動物と出会える可能性があります。動物を見つけて写真撮影に成功すると、記念の「証明書」がもらえるので、車窓から動物探しをするのも楽しいと思いますよ!

写真/本人提供

ちなみに、列車内の自動アナウンスを担当しているのは、富山県出身の室井滋さん。親しみやすく軽快なアナウンスが、鉄旅に花を添えてくださっています。同じく外国人観光客に人気の「立山黒部アルペンルート」のケーブルカーやトロリーバス、富山地方鉄道などとあわせて味わっていただきたいですね。

お出かけの際は、ぜひ北陸の鉄軌道王国・富山で連泊を(笑)

【国内1位】西九州新幹線・島原鉄道

写真/本人提供

1位は、昨年9月23日に開業した西九州新幹線。

長崎県・佐賀県 などの西九州エリアがいまめちゃくちゃ旬なので、ぜひ行っていただきたいです。 私も、先日行きましたが、西九州新幹線のおかげで島原鉄道などのローカル線にもアクセスがしやすくなったので、そちらにも足を運んでみてほしいですね。

諫早駅乗り換えで接続できる島鉄の沿線には島原城がありますし、島鉄バスで雲仙地獄にも出られます。長崎は日本のガラスの発祥地でもあるので、雲仙ビードロ美術館ではガラスづくり体験なども楽しいです。私は西九州新幹線「かもめ」ロゴのシャンパングラスを作りました(笑)。

特に、幸せの黄色いハンカチがホームに掲げられることで有名な大三東(おおみさき)駅は、日本一海に近い駅と言われています。海が見える駅は、全国に200も300もあり、愛媛県のJR予讃線下灘駅なども、青春18きっぷのポスターになるくらい美しいんですが、大三東駅はとにかく海に近い!

写真/本人提供

ホームに降りた瞬間に磯の香りがものすごくしてきて、「海近いな〜」ではなく「海来たな!」って気分になれます(笑)。映えスポットではあるんですが、お客さんも多いので写真を撮るのがちょっと大変なんですけどね。

――ありがとうございます。では、続いて海外編のベスト3もお願いします。

【海外3位】
ブリエンツ・ロートホルン鉄道

写真/shutterstock

ブリエンツ・ロートホルン鉄道は、先ほど国内編で紹介した、大井川鐵道と姉妹鉄道提携を結んでいる、スイスのSLです。

基本の編成は、トロッコ2両(もしくは1両)にSLが1両。トロッコを押し上げるようなプッシュ運転で登っていきます。風を感じながらスイスの美味しい空気を満喫できるのは、トロッコならでは。高山植物や登山が好きなかたにもおすすめです。私が乗ったときも、天気がよくて最高でした!

写真/shutterstock

写真/本人提供

……って、海外編はすべてスイスになってしまいそうです(笑)。スイスはやっぱり鉄道王国なんです。ちなみに、私はJR九州を日本のスイスだと思っていて、どちらも鉄道が熱いんですよね。

【海外2位】
ユングフラウ鉄道

写真/shutterstock

山が続きますけど、まあスイスは基本的に山なんですよね(笑)。

ユングフラウ鉄道は登山鉄道で、トップ・オブ・ヨーロッパと言われるヨーロッパで最も標高が高いスフィンクス展望台(3,454m)まで引っ張っていってくれます。

写真/本人提供

また途中駅にはトンネルの中に設けられた洞窟駅などもあり、各駅で停車時間を設けてくれるので、すこしずつ山を登っている経過を堪能できます。

この鉄道は日本人のお客さんが多いので、アニメ 『アルプスの少女ハイジ』から飛び出したハイジの日本語アナウンスで、細やかな観光案内が楽しめるのもポイントですね。

【海外1位】
グレッシャー・エクスプレス

写真/shutterstock

やっぱりグレッシャー・エクスプレスには乗ってほしいですね。

氷河特急、氷河急行とも言われる観光列車で、運行ルートは、ツェルマット〜クール、サン・モリッツ間。山々を抜け、牧草地を走り、街に出るまでの総運行距離270kmを、ゆったり約8時間かけて進みます。沿線には様々な景観が楽しめますが、世界遺産でもあるトゥージス~サン・モリッツ間のアルブラ線(ベルニナ急行との共通区間)は息をのむ美しさ。

さらに、スイスの絶景を楽しみながら、お食事もいただけるんです。私も一生に一度は乗りたいと思っていたら、なんとお仕事で行くことができました(笑)

写真/本人提供

ちなみに、グレッシャー・エクスプレスは、2019年3月に最上級のエクセレンスクラスがデビューしています。そちらも取材でいかせていただきましたが、西九州新幹線や、アメリカの旅行誌の読者投票で2年連続列車部門の1位に選ばれたクルーズトレイン「ななつ星in九州」をデザインされた水戸岡鋭治さんにインスパイアを受けた車両になっているので、鉄道好きの方だけでなく、旅好きの方、水戸岡鋭治さんのファンの方にもおすすめです!

写真/本人提供

写真/本人提供

鉄道ファンのマナー問題は…

――ありがとうございます! ちなみに東急新横浜線の開通やJR大阪駅に新たな地下乗り場「うめきたエリア」が開業するなど、都市部でも新しい動きがありましたよね。

はい、やっぱりテンションあがりますね(笑) 。東急新横浜線は、ダイヤによってはかなり時短になりますし、乗り換えが少ないので使い勝手がいいんですよ。

これは東急の本(『東急電鉄とファン大研究読本』)を出したからというわけではないでんすが(笑)、新駅のいいところってバリアフリーだったりするので、ノーストレスで階段を経由せずに行けたり、ベビーカーでの移動なんかにはすごくいいと思います。

――うめきた新駅にももう行きましたか?

もちろんです! 私は大阪出身なので、なんというか……大学時代まで仲良くしてた友達がGAFAに入って、すごく出世したねってイメージです(笑)。


通称「うめきた新駅」って言われてるんですけど、正式にはうめきた地下口。それまで地上にあった梅田貨物線を地下化して、地下ホーム21〜24番線が生まれました。世界初のフルスクリーンホームドアが設置されていて、列車の扉の位置に関わらず、ホームドア側で開閉位置や幅を変えて乗降を促すんですが、そこに「企業努力!」って感じがしてキュンとするんですよね。

あと、貨物列車にとっては23.5パーミル(1000m進むと23.5m登る)の結構な勾配なんですけど、最後尾に補機を連結して押し支えることになりました。ブリエンツ・ロートホルン鉄道と一緒ですね(笑)

――さすがにお詳しいですね! 鉄道ファンの方はチェックの目も厳しいかと思いますが、鉄道の情報を発信する上で、気をつけていることはありますか?

一次情報を大事にすることですね。アナウンサーという立場だから、鉄道会社の広報さんにダイレクトアクセスができますし、わからないことがあったら直接聞くようにしてます。あと、これはアナウンサーとして当たり前ですが、あやふやなことは断言しない。これも基本です。

――鉄道ファンの指摘が怖いということはないですか?

撮り鉄のマナー違反みたいな報道がよくされているから、きっと皆さんその怖いイメージになっていると思うんです。でも、普段、番組を見てくださったり、イベントに来てくださる鉄道ファンのみなさんは、本当にいい方ばかり。マナーもよくて、鉄道会社を困らせるようなことをする人はいないですよ。

鉄道ファンのマナーの問題については、どこかで一度ちゃんと話をしたいですが、やっぱり報じる側もそこばかり取り上げないでほしいなという思いもあります。その一方で、鉄道は趣味とは言え、それよりも大事なこととしてまず公共交通機関なので、そこは鉄道ファンも間違えてはいけないと思います。

だから、私はラストランとオープンした当日は、行かないんですよ。もちろん、取材で行かせてもらうときは、ちゃんとルールの中でやりますし、プライベートで行くときは、少し経って凪になってから。私もそうですし、多くの鉄道ファンは中の人へのリスペクトがハンパない、鉄道員(ぽっぽや)鉄でもあります。なので、本当に鉄道を愛している方ほど“好きな人たちを困らせるわけにはいかない”と考えていると思いますよ。

電車好きすぎ女子鉄アナ・久野ちゃんのアザーカット(すべての画像を見るをクリック)

取材・文/森野広明 撮影/井上たろう 衣装協力/ATTRANGS・STYLIA

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