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「逆面接」動画が大バズ「就活生が入る会社を選ぶ時代」…上田慎一郎が1分の動画に込めた想いとは「笑えない問題について考えてもらえたら。そして無断転載については…」

集英社オンライン / 2024年4月11日 17時0分

就活生にとって売り手市場といわれている現代の日本社会。いまや、就活生が必死に面接の作法を学んで、面接官たちにアピールするような時代ではないのかもしれない。映画監督の上田慎一郎氏が作成した映像作品『逆面接』が大きな注目を集めている。

就活生がおじさんたちに逆面接

4月に入り、新年度がスタート。多くの新社会人たちは、慣れない仕事に悪戦苦闘する日々を過ごしているだろう。そして年度が代わると、学生たちもそれぞれ進級し、大学3~4年生たちにとっては、就活の本格的なシーズンが到来したというわけだ。

現在は少子化の影響などで、就活生の売り手市場といわれているが、そんな市場をまさに具現化したような映像がSNS上で大きな話題になっている。

制作したのは映画『カメラを止めるな!』の監督として知られる上田慎一郎氏。タイトルを『逆面接』、テーマに「就活生が会社を選ぶ時代」と題されたこの映像作品は、「令和XX年、少子高齢化により、就活生が会社を選ぶ時代になった」というナレーションとともに、役員風のスーツ姿の男性たち3人が、礼儀正しく部屋に入って来るシーンからスタートする。

男性たちが「失礼します!」と頭を下げている先にいるのは、カジュアルな私服に身を包んだ若者。「どうぞ」と軽い感じで男性たちを招いたところで、「じゃあ、みなさんの会社に入るメリットを教えてください」と質問する。

まず、2人の男性が、定時での帰宅、テレワークの導入など、ホワイトな一面を紹介してアピールしていくが、3人目の見るからに威厳がある白髪の男性だけは「正直ウチは残業もある」「出社はしてくれ、ナマの交流を大事にしているからだ」「メリットはやりがいだ。やりがいを見つけるのはお前だ」と、前時代的な勤務体系をつぎつぎに話していく。

すると面接官である若者は、あきれた様子で「敬語使いましょか。なんすかその口の利き方」と一喝。自分が選ぶ立場であることを主張して、「ヒゲ剃ってくるでしょフツー。礼儀なってなさすぎー」などと、この年上の男性に説教をかますのであった。
 

この作品は3日間でXのインプレッションが1200万を超えるほどの大反響を呼び、SNS上では〈この動画と逆のことをいい歳こいたおっさんたちが若者相手に今も普通にやってるわけか。いろいろ感慨深いな〉〈実は一部職種の中途採用はもうこれに近い気もする〉〈流石に就職活動ではここまではないけど、アルバイトの面接なら近いものがあるような気がする〉〈バブル時代はリアルにこうだったみたいだね〉〈文科省よ、教員不足解消にはこの気持ちが大事なんじゃない?〉など、さまざまな意見があがっている。

痛快であると感じる人もいれば、学生側が生意気すぎて胸糞悪いと感じてしまう人もいるようだ。この映像作品は、企業側の傲慢な姿勢を揶揄しているのか、過剰なコンプライアンス時代の上にあぐらをかいている現代の若者を揶揄しているのか、どちらともとることができる。

制作した上田氏に、この作品に込めた思いを聞いた。

制作した上田慎一郎氏の意図は…

「就活面接の立場を逆にして見せれば、現代日本が抱えるさまざまな問題を風刺した作品ができると思いました。作品として笑って楽しんでもらいつつ、笑えない問題について考えてもらえたらと思います」(上田慎一郎氏、以下同)

たしかに「就職活動」の面接の立場を逆転させてみただけで、ここまで話題を呼び、多くの人が議論できる作品へと昇華させた見事な映像作品である。しかし、本作は、映像の中身だけではなく、別の側面でも議論を生むこととなった。SNS上での無断転載だ。

この作品が上田氏の公式TikTokに投稿された直後から、多くのSNSアカウントがこれを無断転載して、X上でインプレッションを稼いでいる。フォロワーが数万、数十万いる青バッジ付きのアカウントが投稿するため、そちらが本家よりもインプレッションを稼ぐ事態を招いていることまで散見されている。

上田氏はこの動画を自身のXにも投稿したうえで、無断転載を拡散してしまっているユーザーに対して、〈制作者です。ご覧いただきありがとうございます!こちらの投稿元の投稿は許諾のない無断転載となります。よければこちらを拡散いただけると幸いです!〉と丁寧なリプライを送って対応を求めた。

本家の投稿には、ツリーで出演者やスタッフがクレジットで記載されているが、当然、無断転載元ではそうした記載もない。

上田氏は〈ちくしょう!無断転載されたのが万バズしてる!こっちが本家だ!みんな拡散頼む!〉と悔しさを露わにしていた。

この無断転載問題についても、上田氏は答えてくれた。

「Xが収益化されてから動画の無断転載が増えたように感じます。作り手が労力をかけて創作した作品が指先ひとつで無断転載されてしまう。しかも無断転載した側に収益も入ってしまう。これは大きな問題だと思います。無断転載に対する予防、防止の措置が強化されることを強く望みます」

実際、今回の作品を作るにあたり、企画開発から撮影、そして撮影後の仕上げなど多くの日数を要したという。映像自体は1分ほどの作品だが、その1分を生み出すために、何人ものスタッフが関わり、手間と苦労を重ねている。

Xでは、何気ないリツイートやいいね!でも、クリエイターの努力を踏みにじる結果になってしまうことがある。ユーザーは自分のワンクリックにしっかりと責任を感じてほしい。

取材・文/集英社オンライン編集部

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