1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. 環境・自然・科学

NASAの小惑星探査ミッション「サイキ」探査機の製造ステップに移行

sorae.jp / 2020年7月8日 21時5分

小惑星探査ミッション「サイキ」の探査機を描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)

現在NASAが準備を進めている探査ミッションのひとつに、小惑星「プシケ(16 Psyche)」を観測する「サイキ」(※)があります。2022年8月の打ち上げが予定されているサイキについて、探査機の設計が完了してハードウェアの製造に移ったことが明らかにされています。

※…Psycheの英語読み

■惑星のコアだったとみられる金属質の小惑星プシケを周回探査

1852年に発見された直径220kmほどのプシケは、主に鉄やニッケルといった金属でできているとされるM型小惑星に分類されています。プシケはもともと初期の太陽系で形成された惑星サイズの天体であり、内部が溶融して岩(マントル)と鉄(コア)に分かれた後に別の天体との衝突によって外側の部分が失われ、金属質のコアだけが残されたのではないかとも考えられています。

小惑星「プシケ」を描いた想像図。プシケは主に鉄やニッケルでできているとされる(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)

過去に探査機が接近して観測したことがある小惑星や彗星は主に岩や氷でできていたため、サイキは金属質の小惑星を周回しながら観測する初のミッションとなります。地球のコアを直接調べることはできませんが、初期の惑星のコアだったかもしれないプシケの観測を通して、地球のような惑星がどのように形成されたのかについての貴重な情報が得られると期待されています。

製造ステップに移ったサイキの各ハードウェアのうち、太陽電気推進(SEP:Solar Electric Propulsion)を採用した探査機の本体はマクサー・テクノロジーズで製造が進められており、探査機の組み立て開始の期限となる来年2021年2月までにジェット推進研究所(JPL)へ納入予定とされています。また、同年4月までには磁力計、マルチスペクトルイメージャー、ガンマ線・中性子線分光器といったサイキの観測装置もJPLに到着し、探査機の組み立てが進められる予定です。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつもハードウェアの製造が進むサイキは、2022年8月にスペースXの「ファルコン・ヘビー」ロケットで打ち上げられる予定です。その後は2023年5月に火星スイングバイを行い、2026年初頭にプシケへと到着することが計画されています。

ガンマ線・中性子線分光器を担当するジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所では、新型コロナウイルス感染症対策としてビデオ会議も交えながら分光器の開発を進めている(Credit: Johns Hopkins APL/Craig Weiman)

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU
Source: NASA/JPL
文/松村武宏

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください