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幾重にも奇妙な月。コロナをまとった「スーパー・フラワー・ブラッド・ムーン」

sorae.jp / 2021年6月13日 20時50分

MultiEclipse_Eder_960(Credit:Helmut Eder)

【▲ コロナをまとった皆既月食の月と天の川(Credit: Helmut Eder)】

冒頭の画像を見ると、右上から左下へとたなびく見事な天の川に目を奪われますが、今回は左上の光の輪で囲われた月に注目してください。

先月(2021年5月)末、多くの人々を魅了した皆既月食の月で、オーストラリアのニューサウスウェールズ州で撮影されました。

この月は、一年の満月のうちで地球と月との距離が最も近く「スーパームーン」(supermoon)と呼ばれました(「スーパームーン」は天文学的に定義された言葉ではないことに注意してください)。スーパームーンは通常の満月よりも少し大きく、少し明るく見えますが、実際に比較するのは難しいことです。

また、5月の満月はアメリカの先住民の間で「フラワームーン」(Flower Moon)と呼ばれています。さらに皆既月食中の月は、暗かったり、明るさにムラがあったり、血のように赤黒い色をしていたりと、とても奇妙な姿をしています。そのため血の色の連想から「ブラッドムーン」(Blood Moon)と呼ばれることがあります。

つまり、この月は「スーパー・フラワー・ブラッド・ムーン」(Super Flower Blood Moon)だったのです!

さらに、この月は色鮮やかな光の輪「コロナ」(corona)をまとっています。このコロナは、皆既日食のときに見られる「太陽コロナ」とは異なり、日本語では「光環」や「光冠」と訳される「大気光学現象」の一つです。月にかかった薄い雲がコロナを発生させました。

コロナは「ハロー」(halo:「暈」)と似ていますが、異なる現象です。ハローは雲を構成する氷の結晶で光が屈折して起きますが、コロナは雲を作っている水滴などが光を回折することで発生します。

関連:月のインスピレーション溢れる光景2選 月暈の下の雪原の足跡と「月の男」

また、ハローは月や太陽から離れた位置に現れますが、コロナは月や太陽のすぐそばに現れます。ハローの色は内側が赤、外側が紫になっていますが、コロナは月や太陽に近い部分は青みがかった白、そしてその外側が赤くなっています。さらに、その外側に青っぽい領域、 赤っぽい領域を繰り返すことがあります。

5月のフラワームーンに続いて6月は「ストロベリームーン」(Strawberry Moon)と呼ばれています。こちらの画像は、カラフルなコロナをまとったストロベリームーンです。2015年6月にアルゼンチンで撮影されました。

MoonCorona_Montufar_1080(Credit:Sergio Montúfar, Planetario Ciudad de La Plata)

【▲ カラフルなコロナをまとったストロベリームーン(Credit:Sergio Montúfar, Planetario Ciudad de La Plata)】

今月(2021年6月)の満月は25日です。もし晴れればストロベリームーンに因んでイチゴを食べながら月見をするのも良いかもしれませんね。(東京の月の出:19:48、月の入り:4:23 国立天文台より)

 

Image Credit:Helmut Eder、Sergio Montúfar, Planetario Ciudad de La Plata
Source:APOD (1) (2) 天空博物館
文/吉田哲郎

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