1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. 環境・自然・科学

天の川銀河のバルジで輝く球状星団の星々。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

sorae.jp / 2022年5月23日 21時0分

【▲ 球状星団「リラー1」(Credit: ESA/Hubble & NASA, F. Ferraro)】

【▲ 球状星団「リラー1」(Credit: ESA/Hubble & NASA, F. Ferraro)】

こちらの画像、密集しているオレンジ色の輝きは「さそり座」の方向約3万光年先にある球状星団「リラー1(Liller 1)」の星々です。球状星団とは、数万~数百万個の恒星が球状に集まっている天体のこと。手前に見えている青白い星々とのコントラストが印象的な一枚です。

画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によれば、リラー1には興味深い特徴があるようです。一般的な球状星団は古い星々(なかには宇宙そのものの年齢に近い場合も)だけで構成されているものの、リラー1には少なくとも2世代の星々が混在しているのだといいます(形成された時期は最も古い星が約120億年前、最も若い星が10億~20億年前)。その理由について天文学者たちは、リラー1では通常よりも長い期間に渡って星が形成されたからではないかと結論付けています。

そんなリラー1は、天の川銀河の中心部分にある膨らみ「バルジ(銀河バルジ)」の中に位置しています。バルジには星々だけでなく塵も集まっていますが、塵には星から放射された電磁波のうち可視光線(特に波長の短い青色光)を吸収・散乱させやすい性質があります。それゆえに、リラー1は研究するのが難しい天体の一つなのです。

ただし、可視光線の赤色光や近赤外線といった一部の波長は塵を比較的通過しやすいため、塵の向こう側にある天体を観測するのに役立ちます。この画像は可視光線と近赤外線の波長で取得された画像をもとに作られていますが、奥に見えるリラー1の星々は、擬似的に赤色で着色された近赤外線の波長で主に捉えられていることがわかります。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の今週の一枚として、ESAから2022年5月23日付で公開されています。

 

関連:重力で結ばれた美しき星々の集い。ハッブルが撮影した”いて座”の球状星団

Source

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, F. Ferraro ESA/Hubble - Hiding in Plain Sight

文/松村武宏

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください