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砂漠惑星のように見える欧州超大型望遠鏡の建設現場

sorae.jp / 2022年7月3日 20時37分

【▲「ステレオ投影法」で作成されたELT建設現場の画像(Credit: G.Hüdepohl(atacamaphoto.com)/ ESO)】

【▲「ステレオ投影法」で作成されたELT建設現場の画像(Credit: G.Hüdepohl(atacamaphoto.com)/ ESO)】

砂漠の惑星のようにも見えるこの球体はいったい何でしょうか?

映画「スターウォーズ」を知っている人ならば、砂漠惑星「タトゥイーン(Tatooine)」と宇宙船「ミレニアム・ファルコン(Millenium Falcon)」を思い浮かべるかもしれません。

実際は、ヨーロッパ南天天文台(European Southern Observatory:ESO)がチリのアタカマ砂漠にあるセロ・アルマゾネス山頂に建設中の「欧州超大型望遠鏡(Extremely Large Telescope:ELT)」の土台なのです。

このユニークな画像は、パノラマ画像を一枚の平面に投影する「ステレオ投影法」で作成されました。

【▲ELT建設現場のパノラマ画像(Credit: G.Hüdepohl(atacamaphoto.com)/ ESO)】

【▲ELT建設現場のパノラマ画像(Credit: G.Hüdepohl(atacamaphoto.com)/ ESO)】

土台の上に建設されるドームには、口径39mの巨大な主鏡M1が収納されます。この主鏡は、798枚の六角形の鏡で構成されており、高精度センサーシステムによってリアルタイムで制御されます。この手法は「能動光学」と呼ばれています。

また別のM4鏡は、大気の揺らぎの影響を補正するために、1秒間に1000回も鏡が変形します。補償光学と呼ばれるこの技術により、ELTは天体の非常に詳細な画像を撮影することができます。

この画像を見ると、ELTが近隣の都市による光害から隔離されている様子がわかります。セロ・アルマゾネス高原は標高3000mに位置し、年間320日以上も雲のない夜が続き、宇宙観測に最適な場所と言われています。

ELTは、2027年に科学的な運用を開始し、世界有数の天文学施設となる予定です。この画像は2022年1月に撮影され、4月11日に紹介されました。

関連:直径39mの巨大な主鏡は何を見る? 建設進む「欧州超大型望遠鏡」

 

Source

Image Credit: G.Hüdepohl(atacamaphoto.com)/ ESO ESO (1) (2)

文/吉田哲郎

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