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自転車と歩行者の交通事故が、歩道か車道かの違いで、過失割合は変わるの?

相談LINE / 2015年11月16日 21時30分

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日常生活に欠かすことのできない移動手段、自転車。自転車は運転免許を必要としないため、幼児から老人まで、男女問わず幅広い世代で利用されているが、当然のことながら利用する機会が多ければ多いほど、交通事故の確率も比例して高くなる。そして、ここで是非注意して欲しいのが、「自動車じゃあるまいし、自転車の交通事故は大したことにならないだろう」と高を括ることだ。
兵庫県が今年の10月から自転車利用者に対して、自転車損害賠償保険等の加入を義務付ける条例を施行したのは有名な話だ。しかし、そのキッカケとなった、ある交通事故をご存知だろうか。それは、当時10歳の少年が乗った自転車と歩行者が衝突した交通事故である。この損害賠償訴訟において、神戸地裁は平成25年7月4日、少年の母に約1億という高額の賠償を命じたのだ。
そこで今回は自転車と歩行者による交通事故が、歩道か車道かの違いで過失割合に違いが出るかどうかを加塚裕師弁護士に話を伺った。

■歩道か車道かで過失割合に影響あり!

「自転車は、道路交通法上の『軽車両』であるとされており、車両としての通行規則に従う必要があります」(加塚裕師弁護士)

「具体的には、歩道と車道の区別があるところでは、一定の例外を除き、車道を通行するのが原則です(なお、車道の左側を通行しなければなりません)」(加塚裕師弁護士)

「このように車両としての通行規則に従う必要があるため、自転車が人をひいて怪我をさせた場合にも、それが歩道を走行中の場合には責任の度合いが重くなる可能性があります」(加塚裕師弁護士)

自転車が法律上は車両であること。また例外を除き車道を通行することが原則であること。この二つ、実は意外に知られていないのではないだろうか。つまり車道を走るべきにも関わらず、歩道を走って事故を起こせば、それ自体で不利になるということだ。

■自転車は車両。車両としてのルールを守られなければ

そもそも過失割合とはどのように決めているのだろうか。

「交通事故の事件数は多く、また事故態様も類似が多いことから、過去の事例に基づいて過失割合が類型化されています。この点、実務において参照されているのが、別冊判例タイムズ38号という書籍に掲載されている過失相殺率の認定基準です。基本的にはこれを参照して過失割合を判断することになります」(加塚裕師弁護士)

では自転車と歩行者の過失割合の影響についても掲載されているのだろうか。

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