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俳優・小野花梨が将来の目標を持たないワケ「小さい満足を抱きしめたい」

日刊SPA! / 2024年2月28日 8時50分

この仕事が楽しすぎて、学校があまり楽しく感じられなかったことですね。学校という世界を窮屈に感じてしまって、純粋に楽しめなかったんです。部活にも入りませんでしたし、先輩後輩の関係や交流もまったくといっていいほどなく……。もし俳優という道を選ばなかったらそういう楽しさもあったかなとは思いますが、後悔はありません。

◆目の前にある小さい満足を抱きしめたい

――今の小野さんの俳優という仕事に対する考え方、向き合い方を聞かせてください。

毎作品“学び”があります。それがこの世界に居続けている理由な気がしています。いつだって自分がそのチームの一番後輩で、今回も何かを得て帰るぞ! という気持ちで、常に自分を疑いながら、変化を続けていきたい。今はそれ以上でもそれ以下でもないのかなと感じています。

――では、将来の目標は?

あまり大きな目標を持たずにここまでやってきているんです。大きな目標を持つことって、今の自分に満足してないような、今ある毎日に感謝できなくなるような感覚があって。目の前にある小さい満足を抱きしめて日々を過ごしていきたいです。そうやって流れ着いた先にもし何かがあるなら、それはそれで味わい尽くしたいですね(笑)。

◆「一人で過ごすことがすごく好き」

――普段の小野さんの過ごし方について聞きたいのですが。

一人で過ごすことがすごく好きなんですよ。家でずっと読書したり、料理したり。去年の末はパンづくりにハマってベーグルとかロールパンを焼きました。ほかにも小豆を炊いて餡子を作ったり、散歩はもちろん、温泉巡りしたり。食べ放題にも一人で行きます(笑)。

――この季節ならではの楽しみといえば?

コタツで寝ることですね。コタツってやっぱりどうしたって夏には出会えない一品ですので(笑)、ここぞとばかりに味わってます。

――コタツに入って本を読むなんて最高ですよね。

そうですよね。本屋さんに行って、話題の小説を探す時間もとても好きです。

◆クリスマスのお供はみそ汁と納豆

――最近読んだ本で印象に残っているものはありますか。

中村文則さん。人間の卑しい部分とか不条理な部分とか、そういうモノをきれいきれいに書かないところが好きなんです。最新作の『列』も不気味で怖いのに目が離せなくて一瞬で読んでしまいました。

――2月はバレンタインデーがありましたけど、いかがでしたか?

私、イベントアンチなので(笑)、そういうイベントごとにはなかなか縁がないですね。クリスマスもケーキやチキンは一口も食べず、みそ汁とか納豆とか食べてます。

何気ない日常を愛する彼女の演技をこれからも注目していきたい。

【小野花梨プロフィール】
’98年、東京都生まれ。’06年、ドラマ『嫌われ松子の一生』でデビュー。主な出演作は『カムカムエヴリバディ』『罠の戦争』『初恋、ざらり』『お別れホスピタル』など。’23年、映画『ハケンアニメ!』で第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。現在出演中のドラマ『グレイトギフト』はテレビ朝日系にて毎週木曜よる9時~放送中。脚本は『キングダム』『謎解きはディナーのあとで』も担当した黒岩勉が務めている

<撮影/鈴木大喜 取材・文/中村裕一 ヘアメイク/森下奈央子 スタイリング/髙橋美咲(Sadalsuud>

【中村裕一】
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

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