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“ビッグモーター再建”が盤石である理由。「3.9兆円」の巨大市場にはまだまだ伸びしろが

日刊SPA! / 2024年3月21日 8時53分

 現在も数百億円規模の借入金が残っていますが、伊藤忠など3社が金融機関に対して返済計画について説明する予定です。伊藤忠が再建するという話が出た際、会社を倒産させて債務を圧縮し、必要な資産だけを新会社に移すのではないかとの憶測もありました。しかし、そのような動きは見られず、健全な再生へと向かっているように見えます。

◆「一番の火種」から隔離した伊藤忠の手腕

 経営再建における最大の火種は訴訟問題。通常、訴訟リスクを抱えている会社のM&Aは忌避されます。しかし、訴訟への対応は旧ビッグモーターが対応することで合意を得ており、創業家は100億円程度を拠出してこの問題に対応するとしています。従って、新会社は訴訟問題からは完全に隔離されているのです。この合意を得られたことが、健全な再建に向けて動き出せた一番のポイントでしょう。

 創業者の兼重宏行氏らは新会社の経営には携わりません。しかし、現在のビッグモーターの株式の大半は兼重氏の資産管理会社が保有しています。新会社に移行した後も、創業家は株式の一部を継続的に保有する可能性は高いでしょう。

 創業者の資金繰りが悪化し、訴訟への対応がしきれなくなれば、新会社に火の粉が飛んでくるとも限らないためです。伊藤忠は訴訟問題と創業者の経営の関与から隔離し、新会社を完全にクリーンな状態にしました。その上で創業者には資金的なメリットが出るスキームを組んだものと予想できます。

◆中古車の市場規模は「3.9兆円」

 そうはいっても、社会的な信用を失ったビッグモーターは本当に復活できるのでしょうか? その可能性は十分あるでしょう。国内の中古車マーケットは大きく、伸びしろがあるためです。

 帝国データバンクは、2022年の中古車市場が過去最高の3.9兆円だったとの調査を明らかにしています(「「中古車販売市場」動向調査(2022年度)」)。2021年度比で0.3%の増加でした。

 2021年に需要が急増したのはコロナ禍で新車の供給が一部滞り、中古車市場に顧客が流れたため。車検切れなどの買い替え需要の受け皿となりました。

 ビッグモーターの不正が明らかになった2023年以降、中古車市場は不信感が高まって需要が減退するのではないかとの意見もありました。しかし、競合を見る限り市況が悪化しているようには見えません。

◆生まれ変わったビッグモーターが上場する日が来るかも?

 ガリバーを運営するIDOMの2023年3-11月の国内事業の売上高は、前年同期間比で1割増の3054億円でした。2023年3月期の国内事業は16.1%もの増収でしたが、そこから更に10%積み増しています。

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