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「G-SHOCK」のカシオが“一人負け状態”に。セイコー、シチズンと明暗が分かれた理由

日刊SPA! / 2024年3月28日 8時53分

 世界的な舞台で活躍し、メーカーとしての存在感をアピールする姿は、数々のレースで実力を見せつけた本田技研工業とよく似ています。ホンダブランドは、今でもアメリカを中心に絶対的な信頼を獲得しています。

 天文台コンクールは1976年に終わりを告げますが、セイコーブランドを世界に知らしめることができました。セイコーは時計職人の育成に力を入れており、2004年に機械式腕時計の生産を一貫して行う雫石高級時計工房を新設。技術と技能を伝承する取り組みを本格化させています。

 セイコーもカシオ同様、アメリカと中国で苦戦をしていますが、ヨーロッパが底堅く推移しています。また、日本におけるインバウンド消費が旺盛。日本の時計といえばセイコーというイメージが海外観光客に浸透しているのです。

◆シチズンのアメリカ進出は吉と出るか?

 シチズンは「ATTESA」と「PROMASTER」の主力ブランドが増収をけん引。海外はやや苦戦しているものの、国内が堅調に推移しています。特に「ATTESA」が人気です。

 このブランドはチタン素材を採用した腕時計で、軽量かつ堅牢という特徴があります。更に光発電、GPS電波時計、多局受信型電波時計などの最先端技術を盛り込みました。価格は10万円程度で手に入るモデルが多く、ビジネスからカジュアルまで幅広く使えることから若いビジネスマンに人気があります。

 現在、シチズンはアメリカ攻略を着実に進めています。2007年にアメリカの機械式時計の老舗メーカーである「BULOVA(ブローバ)」を買収し、増収に寄与しています。また、2023年12月にフラッグシップストア「CITIZEN FLAGSHIP STORE NEW YORK」をニューヨーク5番街にオープン。「CITIZEN」やブローバなどの主要ブランドを展開しています。

 シチズンもセイコーと同じく時計職人の育成にも力を入れています。腕時計の組立てまでを自社一貫製造する環境を整え、技能五輪への出場をバックアップしているのです。ムーブメントはアナログクオーツが軟調である一方、機械式ムーブメントは堅調に推移しています。

◆停滞する時計市場と好調なスマートウォッチ

 腕時計の市場はスマートウォッチに侵食されていると言われていますが、最初のターゲットとなるのはデジタル腕時計でしょう。機械式時計は趣味性が高いため、スマートウォッチが代替品にはならないからです。

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