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「若いってことに価値はない」北野武が語る“生きづらさ”をぶち破る方法

日刊SPA! / 2024年4月1日 8時51分

 あと、よく「若い人はいいな」なんていって、若いこと、若さがあたかも重要なことのように言うけど、若い人ってのは果たして偉いのかといつも思う。単に年を取ってないだけじゃないか。

 ひところ、「女子大生」がブランド化して、なんでもかんでも女子大生に受ければいいっていう風潮があったんだよ。だから漫才師のプロダクションが女子大生を集めてキャーキャー言わせて人気があるように見せかけたりして。オイラそれ見てもうイヤんなっちゃって。いかに女子大生に嫌われるかってなもんで、散々悪口を言ってたんだよ。そのころ、女子大生に人気があるとかいって浮かれてた芸人はみんないなくなったんで、ざまあみろって思ってる。

 ただ、年を取るってのは嫌なもんだけど仕方ない。誰だって1年にひとつ年を取るし、誰だっていつかは必ず死ぬ。ただ、年を取ると若いころよりも反応が鈍くなるし、漫才でいえばアドリブが効かなくなる。

 昔は舞台に立っていてもテレビに出ていても、このネタには今のタイミングではこれってピンとくるものがあった。反応の素早さ、間、タイミング、ぴったりの言葉、こういうのがどんどん出てきた。頭で考える前に口が自然にしゃべってるんだよね。それを年のせいにするわけじゃないけど、できなくなってるんだからしょうがない。

 じゃあどうするかっていうと、誰に評価されるわけでもないことを毎日少しずつコツコツと積み重ねるって方向に向かうわけだ。アドリブの瞬発力より、コツコツとした持久力みたいなもんで、最近じゃ、ピアノを弾いたり、絵を描いたり、小説を書いたりってことが楽しくなってきた。

 これは他人からの評価を期待しないってところが大事で、自分がこれをやろうって決めたことに向かってコツコツ少しずつやっていく。これは今の生きにくい時代を生き抜いていくための一つの方法かもしれないね。

◆人生100年時代、定年後はどうやって生きていけばいいのか

 よく「定年後に備えて趣味を持て」なんて言うよな。だけど、あれは嘘なんだよ。その趣味がいかにおもしろいかということを知るには、さすがに定年後だと遅すぎる。

 だって、本当の趣味というのは、会社勤めなんかをしている間に「親が急病で」なんて会社に嘘をついてまでしてゴルフや釣りなんかをすることなんだから。そうまでしてやるのが趣味なんで、定年後に何か趣味でも始めようかといったって絶対に続かないよ。

 親族の葬式だって嘘を言って仕事をサボって陶芸をして、できた焼き物を香典返しだって上司に渡すくらいずうずうしいことをしないと趣味なんて見つからないんだよ。時間が足りない中で、なんとか趣味の時間を捻出するくらいじゃないとダメなんだ。

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