1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

離職率9割のベンチャー企業に「全く売れない」俳優が転職、年間50億円のトップセールスに躍り出るまで

日刊SPA! / 2024年4月20日 8時51分

 今振り返れば、相当無謀な挑戦だったなと思います。事務所に所属して、一応俳優だったのですが、“俳優”とは名ばかりで、仕事があればまだいいほうでした。

 全く売れない。仕事なんてほとんどなく、生活をやりくりするお金はアルバイトから捻出していました。Web CMの広告モデルも経験しましたが、当時は雀の涙ほどのギャラで、食べていけるには程遠い。

 俳優として売れることは、東大に合格するよりも難しい。次第に自分の中で、そう思うようになったのです。

 一方、まわりの友人たちは大学に進学し、卒業するタイミングで結婚する人もいました。その姿を見たときに、鳴かず飛ばずだった自分の不甲斐なさを自覚しつつ、「本当にこのままでいいのか」という思いが込み上げてきました。

 自分すら食えないのに、人を養えるわけがない。そこから“やりたいこと”と“やるべきこと”は違うのでは? という考えを持つようになり、現実を見ようと思いました。

 頑張り次第でいくらでも稼げる仕事を探したところ、不動産業界に目が留まり、そのなかで不動産投資事業を手がけるベンチャー企業へ就職することになったのです。

◆離職率9割のベンチャー企業で「何がなんでも弱音を吐かず、絶対に辞めない」

 ただ、正社員として働くのは初めての経験でした。22歳までアルバイトしかやってこなかったことにある種のコンプレックスを抱えながらも、「何がなんでも弱音を吐かず、絶対に辞めない」と心に決めていました。

 もう10年以上前ですが、私が就職した不動産ベンチャーは離職率が9割を超えるほどの厳しい労働環境で、毎日と言っていいくらい、誰かがいなくなる状況でした。

 ある時、先輩と一緒にランチへ出かけた際に、いっしょに会社を辞める誘いも受けたのですが、絶対に辞めないという信念があったからこそ、退路を断って踏みとどまれたのです。

 研修期間を終え、営業課に配属されてからも、試練は続きました。

 不動産の営業ということで、体育会の“ノリ”があるのは覚悟していましたが、入社から2ヶ月くらいした後に大失態を起こしてしまいます。

 会社の先輩から飲みに誘われ、そのまま朝まで過ごしてしまったため、起床できずに会社を無断欠勤。それが大きな問題となってしまって……。

 当然、課長からはひどく叱られたのですが、私と一緒に飲んだ先輩はそのまま連絡が途絶えてしまい、行方を探すように命じられたのです。先輩の家に張り込み、帰りを待っていました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください