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水原一平氏の“違法賭博”、なぜ防げなかったか?誤解されがちな「スポーツ賭博」の今後も

日刊SPA! / 2024年4月26日 8時51分

 今回の口座については、水原氏が通訳という立場を利用して、自身の権限でアクセスし、利用できるように不正に権限を変更したようです。大谷選手や財務担当の右腕が、常に口座の状況を監視できるようにしておければ未然に防げたはずですが、水原氏が通訳という立場を巧みに利用してしまったようですね。お金に関する業務についてダブルチェックができない、大谷選手やお金の管理者が直接最終権限を取得できていないということがが問題が大きくなってしまった原因かもしれません。

 たらればになってしまいますが、現在の情報から推測をすると、口座開設時にも水原氏が同席して通訳をしていたようですが、本来であれば、口座開設についても専門家や専門の会社に依頼しておければ良かったのです。お金という非常に重要かつ人の欲を刺激するものに関する業務を、通訳というお金の専門家ではない人と一緒に行ってしまい、そこにお金のプロがいなかったことが問題かもしれませんね。

 こうしてみると、海外に挑戦するアスリートは、本当にさまざまなリスクヘッジが必要で、本当の意味で信頼できる右腕の存在が非常に重要なことが良く分かります」

◆「人間誰しも魔が差すこと」を前提に

 最終的なクライシスからどう距離を取っておくかを考え、お金の管理をしていくかが肝になるわけだ。

「その際、京セラを創業しJALを再建した稲盛和夫さんが大切にされた考え方で、人間誰しもが弱いという『性弱説』の考え方(人間は魔が差してしまうもの)を前提に、人として生きる上で自分の弱さ、仲間の弱さを認識して、仕組みを作ることが大事です。

 また、違法賭博をやった、大谷選手のお金を横領したという瞬間を切り取ると、水原氏は100%その責任を負わないといけませんが、過去に何か偏った価値観を得て、自身の弱さを知り克服する方法を知らずにギャンブル依存症になってしまったり、お金の管理が苦手になったかもしれない。ひとつの出来事が起きた際に、全否定するのではなく、いろんな角度から考察していく視点を持つのも大事だと思っています。

 そして、トップアスリートも、人の弱さを前提とした仕組み作りができれば、大谷選手のような事件に遭わずにプレーに集中できるのかもしれないですね」

◆フリーライド、ハニトラ…危険がたくさん

 一般的に、アスリートはお金の扱いが苦手なケースが多いと言われている。アスリートとして活躍し、大金を手にするようになると、その名声に“フリーライド”しようとする人が周りに集まってくるのだ。

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