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鳥貴族“全品370円均一”に値上げでも「原価率30%を守る」攻めの接客マニュアルとは

日刊SPA! / 2024年5月15日 8時52分

◆14人のオーナーが246店舗を経営

 鳥貴族は現在、約4割がフランチャイズだが、新規の加盟を受け付けておらず、既存の少数のオーナーのみで運営をしており、新たな加盟店のオーナーについては、鳥貴族で働いている社員や元社員だけに限定している。

 実際、公式サイトによると、鳥貴族のフランチャイズ展開は2019年の時点で14人のオーナーが246店舗を経営しているが、14人のオーナーのうち8人は元従業員だ。長年働いていた人たちが、オーナーの側に立って鳥貴族を支えているのだ。

 筆者もフランチャイズ本部のSV(スーパーバイザー、経営指導員)をしていた経験がある。フランチャイズは経営理念共同体として、本部と加盟店が協力しながら、お互いが成長発展するものである。

 本部は他人資源を活用しながら多店舗展開を実現し、加盟店は本部のブランドや経営ノウハウなどを活用し、素人でも早期に事業を軌道に乗せられるなど、双方にメリットがあるから成立するものである。

◆他とは一線を画したフランチャイズ運営

 思うようにいかなかったら、本部と加盟店の双方がいがみ合う結果になり、見苦しく、裁判が多いのも特徴である。フランチャイズは頑張れば頑張るだけ自らの収益が上がるインセンティブがあり、また制約がありながらも自らの自由裁量で仕事ができるため、やりがいはあるものである。

 しかし、加盟店のやりがいとやる気は本部次第で変わったりするし、本部と加盟店の力関係に変化が生じると、チェーンとしての統一性を乱したり、反旗を翻して大量離脱をしたりするケースもよく見られる。

 それだけフランチャイズ運営というのは難しいが、鳥貴族は独自のフランチャイズシステムを導入し、上手く鳥貴族出身者だけを加盟店に選び、ベクトルを合わせているから、他のフランチャイズ運営とは一線を画している。

◆志の高さと実現可能な目標が強み

 鳥貴族は、コロナ禍で大打撃を受けた居酒屋業態のなかでも、業績の回復が早く、値上げしてもお客さんが離れない店である。店に行っても、店員がお客に向かってくるような勢いを感じられ、やる気のある姿勢が伝わっている。

 企業の長期ビジョンと絵空事ではない実現可能な目標も全店舗が共有している。通常だと足並みを揃えるのには困難を極めるフランチャイズ加盟店も4割を占め、少数の志の高いエリアフランチャイジーに限定し、協力体制を強化している。

 これからも焼鳥と言えば鳥貴族といった連想がされるように、ブランド力を磨いて、さらなる成長を期待したい。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

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