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“ユニクロの対極をいく”アパレル企業が、「創業から5年8ヶ月」で新規上場した納得の理由

日刊SPA! / 2024年5月22日 8時53分

 つまりこのビジネスモデルでは、一部のブランドがトレンドの影響で振るわなくても、他のブランドがその分をカバーしてくれるのだ。

◆20代の女性が言う「みんな」の正体とは?

 我々は普段たくさんの情報に触れている。だが、必然的に職場、家族、友人など特定のコミュニティの中で生活している。その結果、特定のコミュニティにおける「みんな」が知っている情報をもとに消費行動をしているのだ。

 ここでいう「みんな」とは、不特定多数のことではない。密度の濃いファンたちの間で交わされる「みんな買ってるよ」というときの「みんな」のことである。

 たとえば、20代の女性たちが集まる女子会で交わされる「このNetflixの韓国ドラマ、みんな見てるよ」という時の「みんな」とは本当にみんなだろうか。おそらく、50代のサラリーマンはその韓国ドラマを見ていないはずだ。

 では、なぜ彼女たちは「みんな」と言うのだろうか。それは、その韓国ドラマには「密度の濃いファン」がいるからだ。ファンの間で熱狂的に支持されているものは、ファンたちにとって「みんな見ている」となるのだ。

◆「誰に売るブランドにするか?」を決めるために行うのは…

 この密度の濃いファンに支持されるブランド設計を、yutoriはNICOモデルと呼んでいる。NICOモデルで大事なのは、「誰に売るブランドにするか?」を決めることである。

 なによりもまず、ターゲットを明確にし、その解像度を高くしてブランドコンセプトを考えるのだ。そこでまず、彼らはInstagramを見ながら、どこでどんなことをしている人に訴求する商品を作るかを決める。

 例えば、「渋谷の道玄坂でスケボーをする19歳の男性4人組が好きなブランドを作ろう」と、明確にペルソナを決定してから、SNSでどんな投稿をするか? どんなインフルエンサーに投稿を依頼するか? どんな商品のデザインにするか? を決定する。

 こうしたブランド作りのチームと、実際に商品を売るマーケティングチームが同社では分かれている。それにより、「確実に買ってくれる層」に刺さる商品を開発し、販売ができるのである。

◆顧客の棲み分けに成功した「北の達人」
 
 もし、あなたがここまで読んで「yutoriのブランドなんて一つも知らない」と思ったのならば、同社のマーケティング戦略は見事に成功していると言えるだろう。同じくyutoriと同様に、密度の濃いファンだけに訴求を行い、業績を伸ばしている上場企業の例を紹介しよう。

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