“ユニクロの対極をいく”アパレル企業が、「創業から5年8ヶ月」で新規上場した納得の理由
日刊SPA! / 2024年5月22日 8時53分
北海道札幌市に拠点を置き、健康食品や化粧品を自社ECサイトで販売している「北の達人コーポレーション」(以下、北の達人)がそれだ。
彼らが重視しているのは「顧客の棲み分け」である。これはyutoriにおける「密度の濃いファンだけに訴求すること」と同じ意味である。
ウェブマーケティングに興味を持つ若者の中で、「北の達人」は一定の知名度があるものの、「北の快適工房」という健康食品や化粧品のブランドはほとんど知られていないはずだ。
◆ターゲット層でない人に知られていても…
同社代表の木下勝寿氏の著書『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』(ダイヤモンド社)に書かれた株主総会での一幕はとても印象的だ。
ある時、年配の男性株主が「『北の達人』の成長は聞いているけれど、具体的に製品を見たり聞いたりしたことがない。まだ成長途中だな」とコメントしたという。一見すると批判に聞こえるが、同社にとってそれは「褒め言葉」だった。
なぜなら、その株主が製品のターゲット層ではないからだ。「目の下の加齢」に悩んでいない人が、それを解消する製品について知っていても意味がない。
つまり、「目立たないプロモーションこそが最大の利益を生む」というのが同社の考えである。北の達人は、知名度向上のためだけに、資金や時間を投資していないからこそ利益が上がっているのだ。
必要としている消費者だけが製品を知り、彼らと長期にわたって関係を築く。そこから客数を少しずつ増やし、結果として知名度を自然と高めるのが理想的なアプローチであると同社は考えるのだ。
この棲み分けこそが、ブランドの価値を大きくあげ、結果的に顧客の心をつかむのだ。
◆棲み分けができず失速した「4℃」
一方、上記の北の達人のような“棲み分け”ができず、失速したブランドも少なくない。宝飾品ブランドで知られる「4℃」の例はその代表的なものだろう。
4℃の商品やブランド名は、顧客の棲み分けができていないどころか、中途半端に市場に浸透しすぎたのである。
4℃は、本来訴求したい顧客層以外の、「4℃を貰っても嬉しくない女性消費者」に知名度が浸透しすぎてしまったため、Xにおいて彼女たちから「4℃のネックレスをもらっても嬉しくない」という否定的な投稿が書かれるようになってしまった。
これは、自社知名度を高めたものの、「誰に売るか」という特定のターゲット層を明確に定めなかったため起きた悲劇と言える。
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