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キャリア14年の“現役弁護士”が芸人になったワケ「揺れ動く心も含めて、ネタにしていきたい」

日刊SPA! / 2024年6月1日 15時52分

 たとえば、借金の時効をネタにした『5年』という曲。

「5年経てばお金返さなくていいよ 時効成立する」
「この前別居したあの夫婦の離婚を裁判所が認める頃には返さなくていいよ」
「今日100万円借りたから、明日からお前とは5年間会えない」
「それでも君が僕を追いかけてきたときは 破産すればお金返さなくていいよ」

 曲を作った意図について、藤元さんはこう語る。

「お金の貸し借り一つにもドラマがあるんです。それを笑いに転化したかったんですよね。人間関係が壊れるのはもちろん、とてつもない怨嗟と悲嘆がついて回る。借金を返せなくなったり、破産してしまった人って陰のほうに追いやられがちで、本人も負い目を感じながら生きていくイメージがありますが、借金自体は別にしてもいいし、もっとニュートラルな制度なんだよっていうことを伝えたかった。そもそも、なぜ5年が時効なのか全然わからないですしね」

◆センシティブな問題はアップデートを怠らない

 だが、世間の反応はつねに変化する。不倫の慰謝料をネタにした『不倫の相場』では、それを実感したという。

「ネタの中では最後に『痴漢の相場』が出てくるのですが、これを作った2019年当時と比べて今は、お客さんの反応が少し変化しました。痴漢のことを冗談めかして扱うことに抵抗感を示すお客さんが増えた感じがしています。刻一刻と世間の価値観が変わっていくので、アップデートしつつ、ギリギリのところを攻めていきたいと思っています」

 本格的にプロ芸人の道を歩み出しますます気力は充実しているが、結婚して家庭を持つ意思を捨てたわけではないという。

「落ち着いてはならないという考えは変わっていませんが、自分自身が納得したタイミングでそういう機会が訪れれば良いかなと……こうして揺れ動く心も含めて、ネタにしていきたいですね」

 また、54歳でタイタンの養成所に入った同期の歌人・枡野浩一さんと「歌人裁判」というユニットを組んで活動している。こちらでも新たな境地が開かれそうだ。

 誰も到達したことのない場所を目指す、藤元さんの挑戦は続く。

【藤元達弥】
1981年、広島県生まれ。広島大学法学部、法科大学院卒業後、2010年に弁護士登録。新宿にて「藤元法律事務所」を経営。2024年5月、タイタン所属芸人となる。

<取材・文/安宿緑>

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