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人気ラーメン店に「毎日5秒だけ営業電話」。ラーメン通販サイトが新規開拓で味わった“苦労と執念”

日刊SPA! / 2024年6月10日 8時53分

その時代は、ラーメンを凍らせること自体がタブー視されており、営業先の店主に「ラーメンを凍らせて販売させてください」と伝えても、ほとんどが門前払いされるという辛い状況だったそうだ。

「最初は塩をまかれたり怒鳴られたりと、まともに向き合ってもらえませんでした。それでも諦めずにコツコツと営業をしていくうちに僕たちの熱意が伝わってきて、宅麺.comに参画してくれるラーメン店が少しずつ増えていきました」

一番最初にOKが出たラーメン店は武蔵境に店舗を構える「麺や純氣」(現在は契約終了)。

スープや麺、具材を冷凍させる方法は何も確立されていなかった状況でも、最適な冷凍の仕方を試行錯誤していきながら、店主とともに仕様を決めていったという。

そして転換点になったのは、新宿のつけ麺で有名な「風雲児」やとんこつラーメンの「一風堂」が宅麺.comで商品を販売し始めたタイミングだった。

「一風堂が宅麺.comで買えるようになったことが、ラーメン業界で結構話題になり、『一風堂がやるくらいなら安心できる』と、他のラーメン店も後追いするように宅麺.comのパートナー店舗に加盟するようになりました」

◆送料を適正価格に見直したことで収益性が改善

その一方、先を見据えて人材の採用を強化していたが、サービスの成長に追いつかなくなってしまい、人員縮小を余儀なくされた時期も経験したという。

「このままやっていても儲からない」

事業のコスト構造自体を抜本的に変えないと、いつまで経っても黒字化は見えてこないことに気づいたのだ。

そこで「冷凍倉庫の内製化」と「従量制送料への切り替え」を行い、収益性の改善に取り組んだ。

「最初は冷凍倉庫を借りてきて、スキーウェアを着用しながらピッキング作業を行い、発送作業までを全て自分たちでまかなっていました。マイナス20℃という極寒の中での肉体労働は相当キツかったですね。

倉庫内ではラーメンの商品ごとに番号を振って管理しているんですが、『どこに何がある』というのを記憶しなくてはいけなかったのも大変でした。ただ、この経験があったからこそ、委託倉庫のパートナーと組んで物流を仕組み化する際はスムーズに行うことができました」

また、一定の金額以上の購入からは送料無料にするのではなく、商品を買えば買うほど送料が高くなる従量課金へ変更した理由については、次のように説明する。

「その当時はおそらく、宅麺.com以外に従量制送料を取り入れるECサイトはほとんどありませんでした。ですが、冷凍品の配送コストは高く、既存のままでは収益性が見込めないので、思い切って従量制にしたところ、少しずつ収益性が改善され、毎年15%ずつほど売り上げが伸長するようになりました」

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