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人気ラーメン店に「毎日5秒だけ営業電話」。ラーメン通販サイトが新規開拓で味わった“苦労と執念”

日刊SPA! / 2024年6月10日 8時53分

また、野間口さんは「販売数を増やそうと安売りせずに、『行列店のラーメンを自宅で調理して食べられる』という価値に見合った適正価格の設定にこだわった」と語る。

時代とともに販売価格を見直し、段階的に値上げを実施したことで、クレーマーが減った代わりに客質が高まったそうだ。

こうした企業努力が功を奏し、立ち上げから5年で黒字化に成功した。

◆コロナ禍は“ジェットコースター”のような怒涛の日々だった

コロナ禍に入ってからは、巣篭もり消費の増加によって、宅麺.comのニーズも急激に高まった。

コロナ禍以降、会員数は3倍に増え、急成長を遂げたわけだが、「正直何が起きているかわからないような混沌とした状態が続いていた」と野間口さんは振り返る。

「2020年に起きたコロナウイルスによる巣篭もり消費の爆発的な需要は、あまり具体的には想像できませんでした。本当にいつの間にか1日の売り上げが一気に伸びていって。緊急事態宣言下では、飲食店が営業できなかったこともあり、ラーメンを食べたいお客様や宅麺.comで商品を販売したいラーメン店が殺到する状況でした。

さらに、テレビやメディアへの露出もかなり増えたことで認知度も上がるなど、1万食の在庫を入れても1時間も経たずに完売するくらいの勢いがずっと続きましたね」

野間口さんは「毎日、朝から晩までジェットコースターに乗っているような感覚だった」と表現する。

まさに巣篭もり消費のビッグウェーブがどれだけすごかったのかを物語っていると言えるのではないだろうか。

◆足掛け10年以上かけて口説くことも。営業の“執念”は今でも変わらない

現在、宅麺.comは全国に300店舗以上の有名ラーメン店がパートナー店舗として加盟しており、今でも新規開拓を継続しているそうだ。

首都圏を中心に、美味しいラーメンがあると知れば、地方でも駆けつける。このスタイルは15年間変わっていない。

野間口さんも大のラーメン好きで、毎日ラーメンを食べているとか。

「営業のために、目星をつけたラーメン店に足を運び、食べた後に名刺を渡すこともありますし、既存のパートナー店舗の店主と関係性をキープするためにお店へ顔を出す場合もあります。知名度や話題性のあるラーメン店はひと通り行くように心がけていますね」

1回で商談が決まることは稀で、基本的には何度も通って信頼関係を構築していく長期戦が主となっている。

「大阪の豚骨ラーメンで有名な『無鉄砲』というお店に営業した際、『忙しいから5秒だけ話を聞く』と言われたので、毎日5秒だけ電話して自己紹介や用件などを伝えることを繰り返し、最終的には3分間話せるようになったんです。その行動を店主が面白がってくれて、無事に契約となったのは今でもエピソードになっていますね」

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