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廃業するラーメン店が急増する“本当”のワケ。「トレンドの変化が激しすぎて」個人店はますます厳しい状況に

日刊SPA! / 2024年6月11日 8時52分

 だが、来月から電気代の補助金がなくなり、負担が大きくなるから、夏の暑い店内を冷やすエアコン代と長時間のスープ炊きに要するガス代の高騰などで頭を抱えている。店主は毎日、朝早くから出勤し夜遅くまで働いている。少しでも人件費を抑制し、利益を確保して店を継続させるために必死である。

◆かつてのライバル店と絆を深める!

 この店主は頻繁にインスタグラムなどSNSで情報発信し、自店の存在をアピールしており、攻めと守りを徹底強化している。だから店のファンも多く、営業基盤が強固だ。

 ある時、その店主と打ち合せをしている時、競合店の店主が入ってきて、「店長! 輸入豚肉が高くなり、国産のほうが安くなっている。どんどん仕入額が上がるが、うちだけでは多いから共同で買わんか。また、電気代とガス代も来月から相当上がるので、うちは明日からラーメン50円上げるけど、店長のところはどうする?」と相談に来た。

 以前はしゃべることもないライバル店だったが、今は、この苦難を乗り切るため、団結心を高める良き仲間となっているようだ。経営環境の情報は共有し、仕入れは共同で、販売は競争でといった関係である。これから先も競争と協調関係を維持できたら、お互い最適かなと思える。

◆ビール、唐揚げ、餃子を充実させるのもテ

 大手に対抗する個人経営のラーメン店は過小資本のために、真っ向から勝負を挑んでも勝つのは難しい。外食は立地産業とも言われ、新規開業の際に人通りの多い一等立地を狙いがちだ。しかし、売上の不安定要素が多く、個人店主はできるだけ運転資金に回せるように資金配分をするのが一般的である。

 賃借物件も人通りがそれほど多くない二等立地(繁華街にあり通行量の多い一等立地と違い、繁華街の裏など発見確率の低い立地)の狭小店舗に出店して、初期投資額を下げるパターンが多い。売上を確保するためには、限りあるキャパシティを有効に活用し、客席回転率の向上が望める時間帯は別として、お客の滞留時間を延ばし、追加点数を増やして客単価を上げるのも得策だ。

 ラーメンだけでなく、ビール、唐揚げ、餃子やその他町中華メニューを充実させ、追加注文を促して客単価を上げるメニュー構成もいいと思う。効果と効率の対立軸を考慮して店舗政策を検討して実施しなければならない。ラーメン店はお酒を飲んだ後の締めで利用されるパターンも多いが、一軒目の飲み需要を狙ってみるのもいいだろう。

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