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ラブホに入っても「その気はなかった」。それでも“性的同意は難しくない”女医が断言するワケ

日刊SPA! / 2024年6月15日 15時53分

富永:ただ、付き合いが長くなるにつれて、自分では「相手に寄り添っているつもり」、「十分に気遣っているつもり」でも、どういうわけかパートナーとの距離が遠くなったり、セックスですれ違いが生まれることもあります。特にセックスレスは、深刻な問題です。最近の調査(「ジャパン・セックスサーベイ2024」)では、夫婦間で1か月以上セックスしていない人の割合が6割を超えたと報告されました。

 もしかすると、その〝できているつもり〞の配慮や寄り添い方が、いつの間にか間違ったものやひとりよがりになっていたとしたら……。

 というのも、男女のオルガズムに至るまでのメカニズムや加齢にともなう体調の変化、セックスの際に痛みを感じる「性交痛」や更年期障害、ホルモンと性欲の関係など、性にまつわる正しい知識は、まだまだ広まっているとは言えないからです。

 私の主宰するオンラインコミュニティ「富永喜代の秘密の部屋」で行ったアンケートでは、男女ともに7割以上の人が性交痛や加齢によって腟が萎縮することを「知らなかった」と回答しています。「秘密の部屋」の参加者は、性に対して積極的に学ぼうとする意欲あふれる方たちです。セックスへの関心が高い人たちですら、約7割が性交痛について知らなかったわけですから、一般的には性交痛の存在はほとんど知られていないと言っても過言ではないでしょう。

 自分では「よかれと思って」やっていても、それが間違った情報や思い込み、勘違いをもとにしたものであれば、かえって裏目に出てしまうことがあります。たとえば、ED治療薬のバイアグラが正しく効果を発揮するためには、空腹の状態で服用するのが基本です。しかし、「精をつけるため!」とディナーでステーキをたらふく食べた後、ED治療薬を服用したことで有効成分の吸収が悪くなり、かえって薬の効果を落としてしまう……といった残念な事例も少なくありません。

 セックスに限らず、人間だれしも、そしていくつになっても「わかっていたつもり」、「知っていたつもり」は多々あります。むしろ、年齢を重ねて経験を積むほど、「自分は知っている」との思い込みや勘違いが強くなっていくものです。ですが、相手を知っているつもりでいることが、いつの間にか、相手を傷つけることになっているとしたら……。たとえば、いつまでも若いつもりで自分より立場の弱い若い女性を口説いていたら、性加害の当事者になっていた――繊細な性に関しての思い込みや勘違いは、ときに恐ろしい結果につながります。「知らないのが恥ではなく、知ろうとしないのが恥である」という言葉もあるように、いくつになっても学び続けることが大切です。

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