入社1年目で上司の指示を拒否!「身勝手すぎる新入社員」を待ち受ける“2つの選択肢”
日刊SPA! / 2024年6月18日 15時51分
もう1つの選択は、退職勧奨などで辞めさせる。後者の選択肢は当然、最終手段となりますので、私はまずはその社員が活躍できるようにしていくしかないと考えています。辞めさせるか否かは、そのような指導を続けた後で判断すべきなのです。
ただし、上司らが女性の持ち味を潰すことなく育成しようとするあまり、会社という組織に不適合な一面に必要以上に寛大になり、何ら注意指導をしなくなるのは避けるべきです。それでは、ほかの社員たちが納得しなくなることがあります。
「あんな言動が許されるならば、ここでは仕事はもうできない」と思う人が現われるかもしれません。正直者が馬鹿を見ることになりかねないのです。事例の職場は、それに近くなりつつあるように感じます。
◆「不都合があったら、取り除け!」では人は育たない
どんな企業であっても採用活動ではその企業にとって必要で、優れた人材を採用しようとしているはずですが、今回のような人を一定確率で雇い入れてしまうことはありえます。人事は仮に問題のあると思われる人材を採用してしまった場合であっても、まずは責任を持って育成をしていくといったスタンスを明確にして、特に管理職間であらかじめ共有しておくべきでしょう。
採用時に思い描いた人材でなかったとしても、すぐに辞めさせることはしない姿勢を全社に伝えていくべきなのです。辞めさせればいい、あるいは他部署へ追いやればいい、といった考えが浸透すると管理職らがなんとか育てようとする思いがなくなり、実際に育てなくなるのです。
私が管理職の頃、その後、役員になった後も気をつけているのは、そのあたりです。各部署の管理職の判断でたとえば、こんな面倒な人材は辞めさせればいいとは思わず、なんとか育てようとする組織風土をつくることは重要です。各部署で辞めさせるか否かという議論が行われる状況は、好ましくありません。
全社でなんとか育てようとする組織風土があれば、管理職や経験の豊富な社員がその社員を育てようと試みるはずです。少なくとも、各部署の現場レベルにはその思想が必要です。「不都合があったら、取り除け!」といった組織風土では人は育ちません。もっとも、どのような指導・育成をしても、自らの行動を変えようとせずに問題行為を繰り返す社員であるとすれば、組織として雇用し続けることが難しくなるのも事実です。その見極めをどこでどうつけるかが、人事として難しいのではないでしょうか。
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