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スポーツから学んだチームプレイ、ロジカルな思考力。アスリート人材が社会に出てからも活躍するワケ

日刊SPA! / 2024年6月21日 8時50分

 1992年夏の甲子園と言えば、星稜高校の松井秀喜選手が5連続敬遠された年。同じ桐蔭学園のチームメイトには高橋由伸選手もいて、そんな選手たちのなかでレギュラーを獲得したのだ。佐藤さんは大学まで野球にのめり込み、卒業後は住宅の建設・販売メーカーを就職先に選んだ。佐藤さんに話を聞いた。

「はじめに担当したのは個人用戸建て住宅の販売で、私は月に2棟くらいずつ売って、全国1位を何回か取りました。高校時代に培った、相手の気持ちを読む力が役に立ちましたね。

 30歳になってからはプレーヤーとしてだけではなく、店長のようなマネジメントも任されるようになり、自分でセールスしながら、チームのクレーム対応もフォローしました。

 何かトラブルやクレームがあればみんなで対応する、ミスをみんなの力を合わせてカバーするというのは、野球部の時の同じかもしれません。体育会に所属した人、アスリートとして勝利を目指した人の長所は仲間を大事にできるところだと思います。

 楽しい時は簡単ですが、苦しい時、ピンチに陥った時にそれが試されます。私はずっとチーム競技をしてきたので、特にそう思うのかもしれません。一人がミスをした時には、ほかの誰かがカバーをする。それをさりげなくできるのが体育会OBのいいところです」(佐藤さん)

◆アスリート経験は社会に出てからも必ず活かせる

 このように、さまざまな業界でアスリート人材は活躍している。前出、松本さんは、「チーム力、スポーツマンシップ、そういった思いやりや自己犠牲の精神が社会に出てからも活躍する武器になる」と話す。

「勝つこともあれば負けることもあるのがスポーツ。最善を尽くしても、どうしてもミスは生まれてしまうものです。そういうことを理解しているからこそ、アスリートは他人に対して思いやりがある。

 野球の場合は特に、仲間がミスをする前提でカバーリングをしたり、いつも『その時』に備えてプレイしています。失敗を予測する力も高いし、処理の速度も速い。厳しい指摘をするかもしれないが、どこかに優しさがある。そのあたりのバランスを取れる人が多いようにも思います。

 だから、会社組織の中で部下がミスをしても、落ち着いて対処できるのではないでしょうか。誰だってミスはするもの。それをカバーするのがチーム力だと考えている人が多いのです」(松本さん)

 ラグビーでは、負けた相手を「グッドルーザー」と称える習慣がある。ここに、スポーツマンシップの精神が象徴されている。

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