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JRが“リニア開業”より“夜行列車の復活”を優先すべき理由「廃止が相次いだ当時と状況が大きく異なる」

日刊SPA! / 2024年6月28日 8時51分

【上り】
高山22:30発、奈良22:30発、京都23:30発。品川6:30着

 高山・奈良は20:00くらいから、品川は9:00くらいまで停めておき、好きなタイミングで乗車・下車できるようにする。

 ホームに長時間留置して好きなタイミングで乗車・下車できるようにする理由は、出かけるタイミングを乗客に自由に決めてもらうためだ。特にホテル代わりに夜行列車を利用する外国人観光客や子供連れを中心に重宝されるだろう。このようなサービスは海外の夜行列車に多く見られる。

◆ヨーロッパで夜行列車の需要が回復している理由

 さて、なぜヨーロッパで夜行列車が復活しているのか。それは環境面への配慮からだ。環境面を理由として移動手段を選択するというのは日本ではまだあまり馴染みのない考え方だろう。

 しかし、特に欧州においてはカーボンニュートラルの観点から飛行機やバスは忌避されるようになってきている。フランスにおいては、2時間半以内の飛行機移動が禁止にされるなど、日本とは比べ物にならないほど環境に配慮する意識が高い。

 フランスでは飛行機に乗ること(=環境破壊に加担すること)を恥とし、鉄道など他の移動手段をすすめることを指す「flight shame」という単語すらあるほどだ。

 そんな中で鉄道はエコな乗り物として認知されている。実際に鉄道によって排出される二酸化炭素(CO2)は飛行機の5分の1以下となっている。

 日本で夜行列車の運行が増えれば、国内各地のアクセシビリティの向上だけでなく、環境面での優位性からも外国人訪問者が移動手段として選択する可能性は非常に高いのだ。

◆「走るホテル」が観光大国ニッポンの加速につながる

 ここまでの説明で、夜行列車が復活することは、増え続けるインバウンド需要に応えるだけでなく、観光大国ニッポンの大きな経済効果につながることがおわかりいただけただろう。 
 
 仮に夜行列車が復活すれば、インバウンド自体が今よりも好循環でまわることも考えられる。まず夜行列車が「走るホテル」となることでホテルの供給不足の解消に貢献するだろう。

 また、滞在日数を伸ばす外国人訪問者も増えるのではないだろうか。夜行列車を利用すれば、期間は伸びなくても時間を有効に活用できるため、滞在中に落としてくれるお金も増えるだろう。

 さらには滞在都市が分散化することによって、都市部のオーバーツーリズム解消にもつながり、今よりも広範なエリアがインバウンドの恩恵を受けることにもなりえる。

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