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元外資系航空部長が“見知らぬ土地”でゲストハウス経営者になったワケ「退路を断ってみるとホッとした」

日刊SPA! / 2024年6月28日 15時52分

元外資系航空部長が“見知らぬ土地”でゲストハウス経営者になったワケ「退路を断ってみるとホッとした」

冬季のゲストハウスジャパン白馬の運営スタッフと。中央の男性が石田さん

 内閣府が公開した令和5年度版『障害者白書』によれば、国民のおよそ9.2%が何らかの障害を有していることになるという。国も平成26年度から「発達障害者地域支援マネジャー」を各地域に設置するなど施策を進めてはいるものの、いまだ十分に対応しきれていないのが現状だろう。
 世間においても、SNSや会話を中心に精神疾患や発達障害に対する差別的な言動が散見されることもある。国の施策が発展途上であることを考えると、おのずと民間企業へ期待することにもなるだろう。障害者雇用への気概を持った、数少ない企業のひとつに話を聞いた。

◆外資系航空会社の部長職を辞めて起業

「身内に発達障害者がいるんです。その子が社会に将来的に出られるのかが当時は心配だったんですね。それで外資系航空会社の部長職を辞めて起業しました。同じマーケティング部に同僚がいて、彼女の次女も少し重たい発達障害なんですよ。僕の創業プランを伝えたら共感してくれて、僕が辞めた3カ月ほど後に彼女も辞めて一緒に起業した形ですね」

 終始飄々とした様子で話すのは、宿泊業を主として営む、株式会社The Guest House Japan Resorts代表を務める石田浩司さんだ。

 同社は2017年5月の創業以来順調に事業を展開し、長野県の「ゲストハウスジャパン白馬」が予約サイト「ブッキングドットコム」で9.8など最高級評価を受けている。この波に乗り障害者雇用にも力を入れたいと意気込むが、退職を思い立った当初は周囲から随分と止められたという。

◆退路を断ってみると「ホッとした」

「『辞めるのはちょっとクレイジーだ』『絶対いたほうがいい』っていろいろ言われましたね(笑)。でも辞めて退路を断ってみると、やっぱり“ほっとした”というのが正直な感想です。まだ事業が軌道に乗っていない段階で、ほっとした自分がいたのは不思議な感覚でしたね。それは起業の動機になった発達障害者への心配、そちらに向けて100%進むことができるようになったからなのかなと思ったりしました」

 石田さん自身も日本の大学を卒業した後、アメリカへの留学を経て東京の外資系航空会社に就職したという経緯がある。2人の子どももオーストラリアへのテニス留学を経験するなど、国際色豊かに育っているようだ。

 オーストラリアで発達障害の子どもに対する教育を目の当たりにした石田さんだが、現地では驚くことも多かったという。

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