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肉のハナマサ、スーパー玉出。東西の2大“ローカルスーパー”が異例の提携。大量閉店、暴力団関与…「挫折からの再起の行方」は

日刊SPA! / 2024年7月5日 8時53分

 ロピアや神戸物産が大容量業務用食品を拡充、関連事業として外食事業強化を図り、ビュッフェレストランや焼肉店で成功を収めている現状からすれば、早すぎた挫折といえるだろうが、この経験が玉出の救済につながっていくこととなる。

◆旧体制下で相次いだ不祥事「スーパー玉出」

 スーパー玉出は1978年創業。1992年に法人化した。同社は「日本一の安売王」を称し、看板企画である「1円セール」や24時間営業を実施。最盛期には大阪府南部を中心に食品スーパー60店舗弱、不動産業、カラオケ、ボウリング場を幅広く展開していた。

 同社は創業社長が持つインパクトの強さやパチンコ店を彷彿させるネオン管を多用した内外装、道頓堀への広告出稿もあり、全国的な知名度を誇っていたが、少なくとも1990年代後半の法人化直後から外国人労働者の不法就労や裏社会との結び付きが露呈しており、創業社長を始めとする経営幹部が幾度となく逮捕となるなど、派手な店舗とは裏腹にダーティーなイメージがつきまとっていた。

 また、同社が特徴としていた価格政策に関しても特売偏重、イメージ先行型といえるものであり、生鮮惣菜に関しては価格相応、グロサリーに関しては競合他社と比べ総じて割高となっていた。大阪市中心部の繁華街・歓楽街への店舗展開に関しても、同業大手の店舗網拡大により、決して強みといえるものではなくなっており、2013年以降新規出店を凍結し、年1~2店舗程度の不採算店舗の整理を進めていた。

 2018年7月には新会社「フライフィッシュ」に運営を移行し、従来からの激安イメージを踏襲しつつ、旧体制下で欠落していた法令遵守意識の向上を始めとする改革を推進。

◆パチンコ店跡、老朽化など物件特有の課題も

 店舗自体に関しても、スマホ決済導入やインバウンド対応、公式Instagram/TikTokを始めとするSNS発信強化、ブランドを活かしたオリジナルグッズの開発、高級食品スーパー「F.Fマルシェ」事業に取組んだが、経営改善の遅れやコロナ禍を背景に、新体制後20店舗超を閉鎖、2024年6月20日には兵庫県内から完全撤退した。

 玉出は全国的な知名度に反して、看板商品は決して多くない。以前からの名物であった惣菜は物価高騰が進む昨今においても、大阪では競合他社を寄せ付けない低価格を維持。玉出のロゴを全面にあしらったPB商品を新たに発売するなど、玉出ならではの価値向上に取組んでいるが、これらの取組みは発展途上といえる。

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