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世界195か国の憲法を研究して知った「世界の変わった憲法」7選

日刊SPA! / 2024年7月20日 8時51分

世界195か国の憲法を研究して知った「世界の変わった憲法」7選

 憲法改正議論は年々高まり、憲法への注目度が高まっている。日本国憲法は1947年に施行されて以降、今年で77年、これまで一度も改正されていない。対して、例えばメキシコの憲法は1917年の制定から255回も改正されているという。
 世界にはさまざまな国と憲法があり、駒澤大学名誉教授の西修教授は、世界195か国の憲法を研究し、『憲法一代記――世界195か国の憲法を研究した私の履歴書』などの著書を持つ。世界の憲法の中には、その国ならではのユニークなものもある。比較憲法を専門とする西教授に、世界の特異な憲法を教えてもらった。

◆①主権在君のトンガ王国憲法

 南太平洋に浮かぶ、ポリネシアに属するトンガ王国は、無人島を含め170ほどの島々で構成されている。面積は長崎県の対馬とほぼ同じ、人口は11万人弱の小国だ。

「1988年に制定された現行憲法は、国王に主権を与え(41条)、すべての国土が国王の財産であり(104条)、国王の土地と財産は、国王が随意に処分することのできる個人財産であると定められています(48条)。国王は、トンガ王国の全土の所有者なのです」(西教授)

 南太平洋の島々が自分のものだなんて、なんとも羨ましいものだ。

◆②主権在君のモナコ公国憲法

 君主主権を憲法に明記しているもう一つの国は、モナコ公国だという。モナコ公国は地中海に面するフランスの南方に位置し、面積は皇居とほぼ同じで人口は3万6686人(2021年)、世界最多の人口密度だ。

「タックス・ヘイブン(租税回避地)なので、住民の約82%が外国籍です。1人あたりGDP(国内総生産)は23万4316米ドル(2021年、世界銀行)で世界1位。

 1962年に制定された現行憲法では、大公が憲法と法律に従い、主権を行使し(12条)、外国との関係において国を代表します(13条)。行政権は大公の高権のもとにあり(3条)、立法権は大公と国会の双方にあります(4条)。司法権は大公に付与され、大公がその権限を裁判所に委任するという形式をとっています。

 裕福な小国で暮らす住民たちは、国のかじ取りを大公に任せ、国の安泰を最優先にすることを願っているように映ります」(西教授)

◆③国民総幸福を最重要視するブータン王国憲法

 ブータン王国は、中国とインドと国境を接する内陸国で、面積は九州とほぼ同じ、人口は約80万人の国(2021年)。ブータンは「世界一幸せな国」として知られているが、それはブータンの憲法によるところが大きいそうだ。

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