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子供の塾を勝手に決めてきたパートナーへの怒り。しかし「相談できない状態」を作ったのは自分だった

日刊SPA! / 2024年7月25日 15時51分

 それなのに、私が整理してから話をすると、『勝手に決めてくるな』と怒り出したり、『いつも君は相談しないよね』とか嫌味を言い出したりしてくるんです。ひどいと思いませんか? こちらのことを理解しようとしないで、自分の感じ方や考え方を一方的に押し付けてくるような人とは一緒に暮らしていけません」

 僕は、Aさんの言動に違和感を感じたので、確認してみました。

「なるほど。Aさんとしては、パートナーと一緒に子どもの塾のことを決めたかったんですね?」

「はい。そうです」とAさんは答えてくれました。

「普段は仕事で忙しく、家のことや子どものこともあるので、お互い自分の時間もなかなか取れないんです。だから、子どもの塾のことを相談し決めるのにかかる時間を少しでも減らせるように、事前にポイントを絞って相談してもらえる方がお互いにメリットがあると思うんです」

僕は、Aさんに質問してみました。

「そうでしたか。では、今回、Aさんのパートナーが子どもの塾のことを決めるにあたり、Aさんに事前に相談しなかったのはなぜだと思いますか?」

「え……うーん……」

 Aさんの表情が少し曇りました。

◆相談は、最初から答えが決まっているとは限らない

 僕は、続けて「Aさんのパートナーがご自分のニーズをAさんに教えてくれないのは、なぜだと思いますか?」と質問してみました。

「Aさんのパートナーは、子どもの塾のことで相談したかったポイントを言語化できているけれど、Aさんに話したくなかったのでしょうか? そもそも相談したいこと自体をうまく言語化できていないとか、相談のポイントが何なのかをご自身でもわかっていなかったという可能性はありませんか?」

 Aさんは、ハッとした様子で答えてくれました。

「そうか……私はパートナーから相談してもらえなかったことを『自分を軽んじている』とか『自分を信頼してくれていないからだ』とばかり思い込んでいましたが、確かにそういう時だけではないですよね」

 通常、悩みや相談したいことなどは、何でも言語化されていたり、論点整理できているようなことばかりではありません。

「相手は何を伝えようとしているのか、こういうことだろうか?」と相手の意図やニーズを想像しながらコミュニケーションを重ねることで、相手自身でさえも気づいていなかったことが明らかになってくる場合も多々あります。

 そうしたプロセスにこそ、相手の悩みやニーズを知り、ケアをする機会へとつながるヒントが潜んでいるのです。

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